3月14日の夕方、安倍首相は『オリンピックは予定通り開催したい』と会見で述べた。
【首相 予定通り五輪開催したい】https://t.co/1GPchrunAJ
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2020年3月14日
安倍晋三首相は記者会見で、東京五輪について、「我々としては、(新型コロナウイルスの)感染拡大を乗り越えてオリンピックを無事予定通り開催したい」。「現時点で緊急事態を宣言する状況ではない」とも述べた。
それを受けてと言うべきだろうか、IOCも『オリンピックは予定通り』と声明を出した。
【IOC声明 五輪は予定通り準備】https://t.co/293rSjiDZp
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2020年3月17日
新型コロナウイルスの感染拡大で開催が懸念されている東京オリンピックについてIOCは臨時理事会を開き、開催に向けて予定通り準備を進めるとの公式声明を出した。18日以降もNOCなどと電話会議を予定。
この一連の声明でオリンピック開催への懸念が払拭されるほど現代人はお人好しではない。
それを示すかのように、このような話も同時に流されている。
【取材】五輪チケット、規約上払い戻しは不可 コロナで中止ならhttps://t.co/hNYkJGhOFV
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2020年3月17日
東京2020チケット規約によるもので「不可抗力による義務の不履行について責任を負わない」と明記されているという。 pic.twitter.com/9axIZeQfZj
新型コロナウイルスの感染拡大を理由に東京オリンピック(五輪)・パラリンピックが中止となった場合、大会組織委員会が定める観戦チケットの購入・利用規約上、払い戻しはできない見通しになっていることが18日、大会関係者への取材でわかった。
「不可抗力」について、「天災、戦争、暴動、反乱、内乱、テロ、火災、爆発、洪水、盗難、害意による損害、ストライキ、立入制限、天候、第三者による差止行為、国防、公衆衛生に関わる緊急事態、国または地方公共団体の行為または規制など、当法人のコントロールの及ばないあらゆる原因をいいます」と定めている。
関係者が開催に向けて動いてる際にこのようなネガティブな話題を出してくることは観測気球と呼ばれる。
Wikipediaでは観測気球はアドバルーン発言とされている。
関係者との調整が終了していないなど政治的に実現できるか微妙な課題について、世論や関係者の動向を見るための発言。
今盛んに消費税の減税の話や現金給付の話が出てるが、これらも観測気球だ。
今、確実に景気が落ち込み冷え込んでいることで、オリンピックをどうするのが良いのかが分からないのだろう。
予定通りの開催、延期や中止、延期するなら期間はどうするか?
最も賛同が多いもの、出来るだけ不満が少ないものを見極めたいのだろうが、そのための観測気球は時には猿芝居と紙一重だったりもする。
オリンピック2年延期を唱えた高橋治之というJOCの理事。どこかで見た名前と思ったら、政界を巻き込んだ二信組事件の乱脈融資の中心だったイ・アイ・イの高橋治則の兄だった。元電通専務の経歴、森喜朗の落ち着き払った反応から、この発言は森の了解を得た上での観測気球と推定できる。
— 羽田新ルートから首都圏の空を守れ! (@warikky) 2020年3月11日
政治家の最大の関心事は、次の選挙でも自分が当選することであり、当選して当然だと思ってる人は大臣や役職を手に入れることにあるので、自分の目に見える有権者や支持者や利害関係者のことを優先する習慣が付いている。
その結果、無視されたり、いないことにされた多くの人が、選挙は自分に関係ないやと投票しなくなっていて、それが有権者のほぼ半数に達している。
しかし、今回のコロナ騒動での不況は政治に端を発していることもあり、投票に行かない政治無関心層の目を覚まさせたかもしれないのだ。
つまり、打ち上げた観測気球から集まるデータも従来と比べて変化してるだろうし、そのデータを分析する側もこれまでと違った判断を強いられる可能性が高くなる。
これから、いろんな噂がより一層飛び交うだろう。
十把一絡げにデマだと処理するのではなく、そんな噂が出る背景は何だろうかと裏読みすることは下手な推理小説よりもよほどおもしろいはずだ。
噂の背景も、その噂をどのように解釈するかという自分自身も、それぞれ現在の社会的なポジションが原点となる。
世の中には、原点が違う多勢の人のポジショントークが飛び交っているので、会話が一致しても全然違うことを考えていたり、会話は食い違っているのに言いたいことは同じことだったりすることもある。
コロナの前と後では人間関係が変化するだろう。