違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

観測気球!

3月14日の夕方、安倍首相は『オリンピックは予定通り開催したい』と会見で述べた。

 

 

 

それを受けてと言うべきだろうか、IOCも『オリンピックは予定通り』と声明を出した。

 

 

 

 

この一連の声明でオリンピック開催への懸念が払拭されるほど現代人はお人好しではない。

 

それを示すかのように、このような話も同時に流されている。

 

 

 

 

新型コロナウイルスの感染拡大を理由に東京オリンピック(五輪)・パラリンピックが中止となった場合、大会組織委員会が定める観戦チケットの購入・利用規約上、払い戻しはできない見通しになっていることが18日、大会関係者への取材でわかった。

 

「不可抗力」について、「天災、戦争、暴動、反乱、内乱、テロ、火災、爆発、洪水、盗難、害意による損害、ストライキ、立入制限、天候、第三者による差止行為、国防、公衆衛生に関わる緊急事態、国または地方公共団体の行為または規制など、当法人のコントロールの及ばないあらゆる原因をいいます」と定めている。

 

 

 

関係者が開催に向けて動いてる際にこのようなネガティブな話題を出してくることは観測気球と呼ばれる。

 

Wikipediaでは観測気球はアドバルーン発言とされている。

 

 

関係者との調整が終了していないなど政治的に実現できるか微妙な課題について、世論や関係者の動向を見るための発言。

 

 

今盛んに消費税の減税の話や現金給付の話が出てるが、これらも観測気球だ。

 

今、確実に景気が落ち込み冷え込んでいることで、オリンピックをどうするのが良いのかが分からないのだろう。

 

予定通りの開催、延期や中止、延期するなら期間はどうするか?

 

最も賛同が多いもの、出来るだけ不満が少ないものを見極めたいのだろうが、そのための観測気球は時には猿芝居と紙一重だったりもする。

 

 

 

 

政治家の最大の関心事は、次の選挙でも自分が当選することであり、当選して当然だと思ってる人は大臣や役職を手に入れることにあるので、自分の目に見える有権者や支持者や利害関係者のことを優先する習慣が付いている。

 

その結果、無視されたり、いないことにされた多くの人が、選挙は自分に関係ないやと投票しなくなっていて、それが有権者のほぼ半数に達している。

 

しかし、今回のコロナ騒動での不況は政治に端を発していることもあり、投票に行かない政治無関心層の目を覚まさせたかもしれないのだ。

 

つまり、打ち上げた観測気球から集まるデータも従来と比べて変化してるだろうし、そのデータを分析する側もこれまでと違った判断を強いられる可能性が高くなる。

 

 

これから、いろんな噂がより一層飛び交うだろう。

 

十把一絡げにデマだと処理するのではなく、そんな噂が出る背景は何だろうかと裏読みすることは下手な推理小説よりもよほどおもしろいはずだ。

 

噂の背景も、その噂をどのように解釈するかという自分自身も、それぞれ現在の社会的なポジションが原点となる。

 

世の中には、原点が違う多勢の人のポジショントークが飛び交っているので、会話が一致しても全然違うことを考えていたり、会話は食い違っているのに言いたいことは同じことだったりすることもある。

 

コロナの前と後では人間関係が変化するだろう。