テクノロジーが進化を目指すのは必然。
進化したテクノロジーを使いこなしたいと望むのもまた必然。
そしてテクノロジーの進化は生活を変える。
一般的には、テクノロジーの進化の先にはより便利や豊かや快適があると考えられている。
だから、テクノロジーの進化は一方通行で逆行しないと言われる。
しかし厄介なのは、そんなテクノロジーの進化の先には、あると思われてるはずのより楽しい、より気持ちいい、より嬉しいがあるとは限らないこと。
このようなギャップに気付いた人たちは、一見テクノロジーの進化と逆行した方向に価値を見出すように見えることが少なくない。
今よりもより楽しい、より気持ちいい、より嬉しいという体験や記憶を再現したいと望んでの試行錯誤の結果だ。
デジタル時代なのに、アナログ復権の動きがあるのもそのためだ。
決して遅れていたり取り残されてというわけではなく、進化のプロセス途上における正常進化としてだ。
ハイスペックを追い求め、それを使いこなそうとすると、難解で複雑な技やテクニックを競い合うかのような方向に自然と向かいがちになる。
メジャーな方向性が世間に出来上がると、自然発生的に反対ベクトルの価値観も生まれる。
この動きは、対立関係というよりもむしろ相互補完の一体性が感じられる。
難解で複雑な方向に対処するためには、分かりやすいシンプルさも必要になる、しかし分かりやすいシンプルさはなぜか蔑ろにされがち。
世の中が難解で複雑なものに思えたり、未来が混沌として見えるのは、シンプルで分かりやすい大事な何かが見えてないからかもしれない。
壁に直面した場合の、壁を打ち破るヒントは180度反対側にあることは多い。
当然ながらこの180度反対側というのは、行ったり来たりを繰り返す。