太陽光発電やEVにネガティブな風が吹き始めている。
日本での太陽光発電に対するネガティブなイメージは政治や制度に対する不信や不満に起因することが多く、参入事業者の多くがその不備や盲点を利用し災害の発生につながってることも大きい。
推進派と抵抗勢力の対立の顕在化の背景には、新しい技術が良いことづくしではないことと、技術の進歩の度合いが期待されたほどではないことも大きい。
もちろんロシアが起こした戦争が世界のエネルギー事情に深刻な影響を及ぼし、そのことがさまざまなシミュレーションや皮算用に狂いを生じさせたことも大きい。
太陽光発電にせよEVにせよ、必要とする事情は持続可能な地球環境いわゆるSDGsの観点からなのだが、ここに来て思った以上に技術の成熟には時間がかかっていることと、見通しも不明なことが多いということがネガティブの台頭につながってる。
時間が掛かりすぎてることはある程度以上の年齢の人にとっては、自分の人生にはきっと関係ないと思ってる人も多いだろうし、投資家目線では回収に不安を感じることにつながるはず。
つまり、ネガティブな感情はコストの問題に由来するのだ。
一方で、必要とする事情がSDGsに由来するという意味では、時間軸は人間の一生のような短時間をテーマにはしてない。
1000年単位、1万年単位の課題に対して、自分の存命中に決着を付けて生きてる間に十分なメリットやリターンを享受したいという時間軸を持ち込むということの混乱が起きているのだ。
思い返せば、大気汚染や海洋汚染や増え過ぎるゴミ問題もそれぞれの国のローカルな問題だったものが、ワールドワイドな地球規模になってきたのは、すべては循環してるから。
SDGsな課題とは循環に起因していてかつ時間軸が人間の一生のレベルを超えて長期の課題だが、それが効率重視のコスト問題に置き換わり、行き詰まったというか停滞期を迎えたのが今なのだ。
水や空気が循環してることは容易に想像できるが、実際にはあらゆるものが循環してるのだ。
忘れてはいけないのは、循環するものには固有の時間軸があるということ。
そこにコストや効率を持ち込むと途端に成り立たなくなるが、それは確実に人類に跳ね返ってくることだけは間違いない。