世界はEVに舵を切っている。
埋蔵量に不安はないが、原油の掘削コストはどんどん上昇するというコスパの悪さが化石燃料には露呈したからだと言われている。
原油は今後加速度的にコスパが悪くなるらしい。
産油国の危機感は大きいはず。
そういう背景があればEVにシフトするのはなるほどだが、大元の発電にも化石燃料は使われているという意味では矛盾でもある。
であればこそ燃料電池車(以下FCV)の出番のはずだが、パッとしない。
FCVも動力源は電気を使ったモーターという点ではEVなのだが、違いはFCVは水素と酸素で車上で電気を発電させるという点にある。
地球温暖化やco2排出抑制という点では非の打ち所がないないが普及の兆しは見えない。
EVに付きまとう航続距離という課題はFCVではあまり聞かれないのにだ。
水素そのものに対する爆発への懸念や水素ステーションの普及の遅さのせいだと思われていたが、どうやらそうではなさそうなのだ。
燃料電池車の普及に水素コストの壁、実験導入のタクシー会社は嘆き節 7/24(月)
しばしばFCV普及のネックとされるインフラ面での懸念は幾分和らいだ。問題は燃料費だ。
FCVはハイブリッド車と比べ燃費が悪く、年間15万キロ程度を走るタクシーとして使った場合、約100万円の追加の燃料費がかかる。青木氏は、環境にいい車だからといってタクシー利用者が倍の金額を払ってくれるはずもなく、それでもFCV導入を推し進めるような愚かな経営者は「株主からクビを切られる」と断言する。
やはりランニングコストは日々の積み重ねで苦痛なのだ。
お気付きだろうか?
環境やエネルギーをテーマにしてるようで、結局はコスト、それもランニングコストなのだ。
車そのもののコスト、つまりイニシャルコスト、ローンやリースで支払い形式はランニングコスト的であっても、意識としてのランニングコストからは車体代は除外するのが常だ。
EVのネックである航続距離は気温に大きく関係する。
気温が低いほどバッテリーの性能は下がるから。
しかし寒い北欧でもEVは人気だ。
EVを購入する人は航続距離が短いことが障害にならないことが大前提という割り切りができているらしい。
その上でEVを選ぶ理由は何かというと、ガソリンとの比較で圧倒的にランニングコストでEVの方が安いから。
環境意識が高いというような理由ではないのだ。
せっかくの燃料電池は活かしようがないのだろうか?
あるのだ、それも逆転の発想で。
本来こういうことは日本企業が得意だったような気がするが。
gm新型シボレーシルバラードEV及び自慢のハイドロジェン(燃料電池)発電システム。
— 松野博 Hiroshi Matsuno (@stonecold2000) 2023年7月22日
ハイドロジェン発電は否定しないが、車両に搭載せずこうやって発電専用の方が筋が良い。
さすがはgm様である。
日本は何で米国Big3を偉そうに見下げるのか全く理解できない。 pic.twitter.com/hRcfnFUI3z
分かりますか?
燃料電池で発電所のモバイル化が可能になるのだ。
個々の車に搭載させようとするからランニングコストで不利になるが、発想の転換で可能性が大きく変わるのだ。
もちろん要となるランニングコストがどうなのかは動画からでは不明なので何とも言えないが、この仕組みはFCVの弱点が分かった上で生まれた仕組みのようなので期待は大きいはず。
結論として何が言いたいかというと、意識の高さはランニングコスト次第だということだ。
人は理想では動かない、損得で動くのだ。