違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

『知らない事』をどうやって知るか?

ブログを書いたり、何かを発信している人たちの多くが、ネタに苦労しているという話をよく目にする。

 

どうせ書くなら、おもしろいものにしたいと思うからだろう。

 

身近にスペシャルな話があれば一番良いがそんな話はあっても続くものではない。

 

だから一生懸命探すが、検索すれば何でも出てくる時代になり、自分のネタに"特別感"が感じられなくなるのだろう。

 

特別感を感じさせるネタの多くは、コロンブスの卵のように、知っているのに気付かなかったことにある。

 

"知ってた"ということを思い出させてくれるものにも価値がある。

 

わかっていて当り前なのに、敢えて考えないと気付かないことがある。

 

そういうことは、盲点になる。

 

例えば、宝くじは買うよりも売った方が儲かるなど。

 

少子化もそうだ。

 

人口動態統計に関心がありあるいは接する機会があれば、そして少し世の中に興味があれば、少子化はかなり早い段階で予測できたはずだ。

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内閣府:出生数と合計特殊出生率の推移

 

 

しかし地球規模で見ると人工の増加の方が大きな課題で、その増加するさまを人口爆発と呼ぶようになって60年以上経つ。

 

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考えるためには、気付いたり、感じたり、が必要になる。

 

そのためには"知っている"ということが必要になることが多い。

 

本当に何も知らなければ、"知らない"という状態に気付かないし、"知りたい"と思わない。

 

 

 

大胆提言!日本企業は今の半分に減るべきだ アトキンソン氏「日本人は人口減を舐めてる」

 

増えても減っても問題になる人口問題だが、なぜ問題になるかというと、人口の推移が数値として把握され、それが『情報』として共有されるからだ。

 

"頭が良いから気付き、頭が悪いから気付かない"という理由ではない。

 

『情報』として持ってるか、持ってないかの違いが大きいのだ。

 

そういう意味では、日本の少子化の問題は、統計データがあったのに有効な対処が為されなかったところを見ると、知っているのに気付かなかったということになる。

 

 

インターネットの登場と普及が、"知る"ということを大きく変えた。

 

インターネット登場前は、何かを知ろうと考えたら、新聞や雑誌やテレビや図書館を使うか、物知りの誰かに聞くしか無かった。

 

このような時代の"広告宣伝"は、貴重な情報であったことが想像できる。

 

 

しかし、インターネットが普及し、情報は広告宣伝に頼らなくても自ら発信することができるようになり、広告宣伝のありがたさが大きく変化した。

 

インターネット普及期には、ホームページを持たない企業は時代遅れだと感じられたが、多くのホームページは自社商品(サービス)のカタログ置き場であり、どれもこれも同じようなもので、新しい何かが始まった感じは受けなかった。

 

徐々にインターネットの活用法が進化し、洗練されてくると、情報の入手はまずインターネットで検索することが当り前になり、スペックに関することはメーカーや発売元のサイトで調べ、使い勝手に関してはユーザーのレビューや個人ブログで調べるようになって行った。

 

検索すれば何らかの確度の高さを感じられる情報を入手できるようになると、広告宣伝が鬱陶しいものに感じられるようになっていったのが今だ。

 

現代の"検索するだけで評判の良いものだけ選ぶ"が、簡単にできるようになったことが"知る"の魅力と価値を変化させている。

 

菊地成孔の北欧美食巡り総括 タコツボ化した東京の食事情を問う SNSを回避することによって一種の人体実験をやっているわけなんです

それこそスマホを持ってたりすると、世界中のことは、もう全部知ってるみたいな気になっちゃうけど、まだまだ世の中、実はあまり知られてないことが多いというか、実際に足を運んで「食」も含めたカルチャーを知るっていうことに関しては、やや遅れているようなところがありますよね。

 

でも、それは一種の地獄でもあって。学校行ったら、クラスの女子が全員可愛い……なんて、ある意味地獄じゃないですか(笑)。

ある程度、凸凹があるなかで、あの子が可愛いと思えるのが、やっぱり嬉しいわけで、誰に声を掛けようと、もう全員可愛いっていうんじゃ、生きている甲斐がないというか、ダイナミズムが消えちゃうんだよね。

 

世の中は二極化してるとよく言われるが、検索して得られる情報も、"魅力と価値がある情報"と"どうでも良い情報(詐欺的なうそ臭い情報を含み"とに二極化の様相を見せている。

 

知ってもらうための最初の一歩としての広告宣伝費は、現在でも伸びてるが、その効果に関しては賛否ある。

 

 

企業の広告費、6兆3907億円に増加!ネット広告が27%アップ!SNSや個人連動の広告に 2018/2/25

 

 

ユニリーバ、ネット広告やめるってよ…!?

2018年の世界の広告市場は5895億ドル(約64兆円)のうち38%がネット広告が占め、テレビを初めて上回ることが予想されています。ここからもわかる通り、まだまだSNSを使った広告媒体は発展していくことでしょう。

各社、AIを駆使してフェイクニュースや不適切コンテンツの撲滅に力を入れている事もあり、広告主の信頼を回復していく公算です。

 

 

Facebookフィード改変、有料広告の値上げへの影響はどうなるのか?

Facebookは、報道機関ではなくソーシャルネットワークに戻ろうとしているようだ。ポストトゥルースの政治(客観的事実より、感情的な訴えかけの方が世論形成に大きく影響する状況を意味する)に対する、Facebookの影響を巡る議論において、同社はメディア企業であることを絶えず否定してきた。今回のアルゴリズムの変更は、ウォールやステータス機能のアップデートに注力していた時代に立ち返るための第一歩なのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

検索すれば簡単にわかるようになると、ブランド価値も変化する。

 

良いものが売れるのではなく、売れるものが良いものと評価される。

 

ビジネスをやる側にとっては、売れれば理由はどうだって良いかもしれないが、買った人はリピートしたいとは思わないだろう。

 

だから、売ってる人々は常に『一見客』を求めることになる。

 

しかし多くの人は、良いものの『常連客』になりたいと思っている。

 

『常連客』になるためには、検索するだけでは何かが足りないのだ。

 

 

 

検索するだけではわからないことに魅力が生まれるのは、試行錯誤の結果かもしれない。

 

 

スナック女子急増中——ネットにない「自分をさらけ出せる場所」「ママや良いおじさんは希望」

30代、40代になると、鎧を着てしまい、今さら自分をどう解放したらいいか、わからなくなっている。スナックはその手ほどきをしてくれ、解放できる現実の世界

さらに、働き方改革により、「残業をせずに生産性を求められるので、社内のコミュニケーションが減っているんじゃない」と加える。

 

 

スナック(バー、キャバレー、ナイトクラブ)の店舗数は、総務省の経済センサス基礎調査によると、2009年から2014年に2割が閉鎖した。一方、カラオケ白書によると、業務用のカラオケの台数は、カラオケボックスよりも「酒場市場」の方が導入台数が多い。

 

 

『知る』ということは、検索してわかるとは違うニュアンスを持ち始めている。

 

『知る』ということが、近くて遠いものになりつつある。