「今年の流行色」というものが昔からあるが、最近はあまり聞かない気がする。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/日本流行色協会
あらゆる分野へのトレンドカラーの提案を行うことで、商品開発の指針を与えるとともに、生活者の豊かな色彩生活の実現のための活動を行う。
インターカラー(国際流行色委員会)
1963年に設立された、国際間でカラートレンドの方向性を検討する会議。実シーズンの2年前という、世界で最も早い時期にカラートレンド情報を発信しており、その後の世界のカラー動向に大きな影響を与えている。
流行色というのは流行った色ではなく、流行らせようと仕掛けられたビジネスで、2年前から仕掛けられているのだ。
仕掛けは、仕掛ける側と受け入れる側の両方の思惑が一致することで成立する。
「流行」が成立するということは、「流行」が求められたということだ。
流行外れは、単に流行してないという意味だが、昔は、流行外れ=ダサいというイメージがあり、多くの人が流行を追いかけた。
多くの人が流行を追いかけたのは、基準が欲しかったからであり、自分流に行動することに自信がなかったからだろう。
流行語がピークを過ぎるとやがて死語になるが、死語と「流行外れ」の共通点について考えていると、「定番」と言われる流行り廃りに関係ない存在に思いが至る。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/定番
定番(ていばん) - 主に小売業界、ファッション業界などで使われる用語で、流行や情勢にかかわらず安定した売り上げを確保できる商品のこと。商品番号(品番)が一定であることに由来する。これが転じて一般に広まり、当たり前となっていること、決まりきっていること全般を指すようになる。
流行語で定番になれるのはほんの一部だけだ。
「流行」、「流行外れ」、「定番」の関係を考えていたら、「偏差値」に似てる気がしてきた。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/偏差値
偏差値(へんさち、英: standard score)とは、ある数値がサンプルの中でどれくらいの位置にいるかを表した無次元数。平均値が50、標準偏差が10となるように標本変数を規格化したものである。
実生活の場で個人に対して用いられる偏差値の高さ(低さ)は、大きく変動しないイメージがある。
偏差値が高い人は優秀と位置付けられ、それが継続するというイメージがある、低い人はその逆だ。
しかし、ある流行に対し流行偏差値が高い人は、次の流行にタイミング良く移っていけなければ、すぐに流行外れという流行偏差値が低い状態にシフトする、この場合はシフトというより転落するイメージがある。
この見方では、偏差値50の周辺に「定番」が存在すると考えてるが、元々の定番の意には、時の流れに負けないという付加価値が感じられという意味では高偏差値寄りだったはずである。
昔は、人も物も玉石混交だった。
だから、人の優秀さを偏差値で序列化し、物や風潮の動向を流行という尺度で序列化していたのではないだろうか。
しかし、人に関しては偏差値が高くて優秀なのは特定の分野だけで、他の分野は大したことないというのはよくある話だ。
物に関しては、時を経るほどに、品質が高くなり、デザインも悪いものはなくなり、偏差値的分布幅が狭くなって中央に集まっている気がする。
要は、物は多いがバラエティに富んでなく、且つ品質は悪くないということ。
どれを選んでも良いが、どれも選ばなくても良いとも言える。
いつ買うの?
今じゃなくていいでしょう。
となる。
人も、物と同様に、個性の分布幅が小さくなり且つ社会生活を送る能力も大差ない人が多くなり、誰を選んでも良いが、誰も選ばなくても良いとなる。
人も物も問われてるのは中身ではないかもしれない。
中身がどうでもいいというわけではない。
「見たい、読みたい」という読者のニーズに即応できなければ、ビジネスとして生き残れない。そうである以上、デジタル化の波を積極的に活用し、味方につける施策を打ち出した方がいい。
イギリス紙「ガーディアン」も、独自にスクープ動画を撮ってそれを世界中に高く売ったりしている。そうした意味では、同じ雑誌だけではなくテレビも新聞もライバルになるのだ。スマホの上では、全ての情報が「フラット化」される。
今問われ始めたのは、自分をどこで流通させるかだ。
昔は大手町の本社にも「売った、買った」の現場があり、われわれの世代はそこで鍛えられました。しかし今はどの総合商社もビジネスの軸足が関係会社に移っています。
おそらく多くのビジネスの場では、コミュニケーションが薄味になっているだろう。
ビジネスの場では成果だけが求められ、それ以外は無駄なものという扱いだろう。
かつてビジネスの場は、自己実現のための大切なコミュニケーションの場であったが、もう自己実現の場ではなくなりつつある。
自己実現のために別のコミュニティが求められる時代になってきた。
猪子寿之氏「アートは“カッコいい”の基準を動かし人類を変える」
人間っていうのは非合理的な行動をしていて、その多くは、実はその「カッコいい」の基準で動いている。世界の見え方が変わることで、「カッコいい」の基準が変わる。価値観が変われば、人間の行動も大きく変わる。
ここで語っている「カッコいい」は男性目線で、女性目線だと「カワイイ」だろう。
とりあえず10年、服を買うのをやめる! 絵本作家がチャレンジしてみた結果…思いがけない収穫がありました
ステキな服を見かけると、今ある服のなかで似たようなものを持っていることを思い出して、コーデを考えたり、服のお直しをしたりするように。
そして5年ほどたったころには、同じ町に住む友人たちと手芸クラブを結成。まわりの人たちとの時間を楽しみながら、お直しを続けていくうちに、どいさんの服のリフォームを見た近所の人たちとのコミュニケーションも生まれ、意外な輪も広がっていったということです。
新しいコミュニティに飛び込むことは勇気がいります。
ただ、僭越ながら1つ申し上げさせていただくならば、その勇気は間違いなく発揮する価値があります。自分が興味を持ったコミュニティに飛び込むことは、その後、素晴らしい効果を発揮してくれるからです。
「ワーク・シフト」で注目を集めたリンダ・グラットンは人生100年の時代になりつつあると言っている。

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働き方が変われば、生き方も変わる。
楽しむことを自分で作れない人には辛い時代がやってきた。