5月12日の二つのテレビ番組を見ていて感じたことをネタにGoogle Trendsを使って遊んでみた。
一つは経済番組で、「リスクを取るからリターンを得る、当然のことですよね〜。」とテレビで女性コメンテーターが喋っていた。
その女性の顔を見ていると、「本当はそんなこと思ってないんですけどね!」と顔に書いてあるような気がしてきた。
そう言えば、"損失補填"ということばがあったな〜と思い出した。
少し前まで、大口の投資家は損をすると怒っていて、その損失補填を裏で求めるということは珍しい話ではなかったのだ。
これは大口だからこそできた特権でもあった。
さっそく、Google Trendsで検索してみた。
検索可能な2004年1月1日以降で行ってみた。
それなりに検索されてるワードのようにも見えるが、損失補填というワードが世間を賑わせたのはバブル崩壊後の証券不祥事が発覚した頃なのでその頃のデータはGoogle Trendsには無い。
ただこの時期にワードとして定着したのかもしれない。
損失補填と言うのは、大口の投資家が特権的に保護されていたことを露呈したが、その対極にある本来全ての投資家に適用されるべき原則としての"自己責任"ということばを世の中に定着させることにも役立った。
"自己責任"というワードの定着も"損失補填"と同時期に定着したワードなのでGoogle Trendsに十分なデータがあるわけではないが、見てみると。
自己責任の大きな山があるのは2004年の4月。
この時何が起きていたかというと、イラク日本人人質事件。
この事件をキッカケに、投資における損得に当てはめられていた自己責任ということばが、命にも当てはめられるようになった。
ちなみに、この二つのワードを同時に比較すると、2004年当時自己責任というワードがいかに注目されたがわかる。
もう一つのテレビ番組は、
NHKスペシャル 仮想通貨ウォーズ ~盗まれた580億円を追え!~
このブログを書いている5月13日の午前10時過ぎの時点ですでに動画サイトにこの番組はアップされている。
Google Trendsで遊ぶようになると、自分の趣味嗜好と合わない分野にも興味を持てるようになるというのがおもしろい。
広い意味で世間の動きにアンテナが張れる気がする。
この番組で面白かったのは、今という時代の最先端はプログラムが動かしてるんだなということを実感できたことだった。
そんなプログラムは人間が作るので、動機に感情はこもるが、プログラムには感情はない。
プログラムがやってることに感情的に反応すると「負けだな」と感じた。
Google Trendsで仮想通貨と検索すると、
直近12ヶ月で見ると、山が盛り上がりだしているのが11月の半ば過ぎからで、山のピークは、コインチェックからネム(NEM)の流出事件が起きた直後。
ちなみに直近5年で見ると、
やっぱり、急激に盛り上がったことが分かる。
17年10ー12月(第4四半期)の日本円による仮想通貨取引の世界シェアは55%に達した。今年1月29日までにシェアは約35.5%へ低下したが、ドル取引のシェア38.7%に次ぐ規模である。
ワールドワイドに見ても、日本人は仮想通貨を大量に取引してることが伺える。
コインチェックから流出したネム(NEM)をアルファベットでGoogle Trendsで検索すると、
仮想通貨のNEMが開始したのは、2015年の3月からで、当然だが、外国もあるが日本が圧倒的だ。
ちなみにNEMには仮想通貨以外もあるので仮想通貨と指定する必要がある。
最初その指定をせずに検索して、ワケがわからなくなった。
"仮想通貨"と"NEM"そして"ビットコイン"を同時に比較すると、
やはりビットコインは仮想通貨の中では圧倒的な存在で、世界中で検索されている。
儲け話に、自己責任は付きものだが、おそらくその意味は、損をしたら潔く諦めろと言う意味で使われている。
儲け話に、大金を投じてれば投じてるほど、自己責任なんて他人に押し付けることはあっても、自分は思ってないだろう。
少し前までは、特権を手に入れ巧妙にずるく立ち回ることが勝つための秘訣だったのだが、現在は勝ちたければプログラムを武器にする必要がありそうだ。
プラットフォームの時代などと言われるが、もっと具体的に言うとプログラムの時代と言えるのだろう。
善悪や好き嫌いとは別の理屈で世の中は動いているようだ。