意図した炎上と、意図せず起きる炎上があるということを教えてくれるツイートがあった。
日本が好きって歌だから炎上したんじゃなくて、
— 大袈裟太郎🌾(おだやか太郎) (@oogesatarou) June 14, 2018
大日本帝国好きって歌になってるから炎上したんだけど、
この違いを本人たちも理解できてないっぽいから怖い。 https://t.co/dhyCtVE6ir
意図された炎上には「目的」があるが、意図せず起きる炎上には「目的」がなさそうに見える。
意図される目的には、2種類ありそうで、一つはアクセス数稼ぎで、もう一つはアクセスを稼いだ先にある。
目的を持ってアクセスを稼ぐ場合、ターゲットにされてる層がある。
以下、語る炎上は、目的を持った炎上について。
最近起きた炎上と言えば、これだろう。
キングコング西野亮廣が美術館建設を口実に「3億円募金詐欺未遂」の顛末
簡単に言えば「夢を実現するために3億円の借金してしまった、お前ら寄付してくれ」と呼びかけたものの、実際には3億円の借金は嘘で、出演ギャラの出ている番組企画の仕込みであって、それって単なる募金詐欺という立派な犯罪を西野氏が堂々とやってるだけなんじゃないの、という話なのですが。
世間の多くが不愉快に感じた話だが、炎上を起こす側の人はこのように感じてるようだ。
別の件に関しての発言だが、思いは共通してそう。
ファンを巻き込んでのただの遊び(企画)を「詐欺」といってしまう人たちこそ、キ○ガイでは...😰
— はあちゅう (@ha_chu) June 6, 2018
いやな世の中だな〜!
もっとみんなノリで楽しむ社会になってほしい!!!
お金なんて気軽にあげたりもらったりすれば良いのよ! https://t.co/sVk7oC9W11
次のブログは、私と同じ意見が多い内容なので、引用してみたい。
キングコング西野さんのことをよく知らなかった私が、知る切っ掛けになったのが昨年のこの件がキッカケだったし、お笑いタレントの枠を超えて名が売れたのもこれがキッカケだっただろう。
キンコン西野さんの絵本無料化の件で思ったこと。 -信用と炎上- 2017/1/21
先日キングコング西野さんが23万部も売れている大ヒット絵本の『えんとつ町のプペル』を全ページ無料公開しました。
騒がれているんだけど、反論がイマイチ理解できないというか「そんなに騒ぐことなのかな?」と思ってしまうんですよね。単純に僕自身が頭が悪いだけかもしれないけど。
私も、ほぼ同じ意見だった、無料化に向かうのはある意味必然だと感じていたし、それが嫌だったら別の手を考える必要があると。
炎上を起こす人には大きな特徴がある。
味方も多いが、敵も多い。
炎上を起こす人は、ただの嫌われ者ではなく、味方からは大きな信頼を得ている。
だから、発言はポジティブなものが多い。
上記のブログには、炎上を起こす人々の考え方と共通している心理をうまく説明してることばがあった。
これは以前読んだ岡田斗司夫さんの「超情報化社会におけるサバイバル術 「いいひと」戦略」に近い気がする。
この本の内容は「現在世の中を支配している貨幣経済は衰退し、評価経済が支配していく」という話。
評価経済=「いい人」の方が得をする世界。「いい人に見せる必要がある」ということ。いい人にならなくて良い。「見せる」のが重要。
(個人的にこの本を読んで、ずっとこれをやり続けるのは無理だなと思ったのでやっていません。)
「いい人」に見せることが、戦略としては有効。
このための手段だったのではないかなと考えています。
最近耳にすることが増えた『人たらし』ということばがある。
辞書を引いたり検索しても、きちんと説明するものはそう多くない言葉で、意味としては「多くの人に好かれる、だます」という相反する意味を持っていて、八方美人によく似た言葉だ。
炎上を起こす場合でも、最初に信頼を得ることから始まるのがおもしろいが、信頼は"人たらし"が作るダマシのような錯覚と似ている。
信頼を得た後で炎上を意図するようになるためには、必要なプロセスがあるように感じられる。
上記の引用に続くのが次の言葉だ。
ただ、これは今後のための戦略だと僕は思ったんだけど、すぐに効果が出ました。
『えんとつ町のプペル』が売れまくり、Amazon・楽天ランキングで1位を獲得したのです。
意図的な炎上を起こす人々には、意図せず得られた成功体験がトラウマのように染み付くのだろう。
そして、もう一つ普通の人には見えてない世界がある。
彼ら(彼女ら)を信頼し支持する人のメンタリティに関してだ。
どんな発言だったら許容され、信頼を失わないかがわかっているのだ。
わかっているというよりも、嗅ぎ分ける嗅覚が鋭いのだろう。
明らかな失言に見えるものが全く評価に影響しないことが多い、騒ぐのは支持してない人だけということが多い。
だから、こんな発言につながる。
林真理子先生が面白い文章を書きたかったら「正直、素直、謙虚」に書けってことを言ってるんだけど、SNSを見てると謙虚な言葉が好きな人と大胆な言葉が好きな人の2種類がいると感じる。例えば堀江さん、箕輪さん、キンコン西野さん、田端さんとかの言葉が好きな人は大胆な文章のほうが好きそう。
— はあちゅう (@ha_chu) June 14, 2018
彼ら彼女らのファンは、炎上発言を不謹慎だとは捉えずに、おもしろいことを言ってくれたと感じるのだ。
そして、そんな発言を待ちわびてるのだろう。
見事な信頼関係と言って良いだろう。
炎上を使いこなすことは、あると便利な能力だろうが、成功体験と大勢の固定ファンを持つことが必須条件になる。
炎上を起こすのは、自分の敵ばかりで、その炎上で味方の結束は強まる。
そう思える人だけが、起こすべくして炎上を起こすが、そんな人々にはタフな精神力が要求される。
タフな精神力と鈍感は紙一重だが、ほぼ同じ意味として通じる。
検索するとたくさん出てくるが、炎上を起こした人は、確信犯であっても、大きなストレスを抱えるらしい。
意図的な炎上は、ストレス時代の現代における、「毒をもって毒を制す」戦略だ。