困った時に、まずはGoogleで検索するというのは現代人のリテラシーだと理解されている。
だから、困った時に検索すらしない人は、「ググれカス!」と罵られる。
しかし、困りごとが、自分一人で検索して分かる程度のレベルを超えると、広く第三者の力や知恵を借りたくなる時がある。
そんな時に、活用する手段の一つとして『拡散希望』と、銘打って情報発信を行うという方法がある。
私自身は、利用したことも、協力したこともないが、Twitterで出回っているものを見ることは多い。
ワードとしては馴染んでる気がするが、いつ頃から使われ始めたのかがピンとこないのでGoogle Trendsで検索可能な2004年以降で調べてみると、
突出した山は2011年3月ということは東日本大震災だ。
東日本大震災がきっかけで世間に定着したであろう『拡散希望』だが、ワードとして顕在化したのは2010年の春以降だ。
2010年の春頃の『拡散希望』は、下記のように扱われていた。
2010年の春以降で東日本大震災の前までは、『拡散希望』は、Twitterでの使用がほとんどだが、極めて個人的だったり、多くの人には関係しないことに関して、当事者として怒りや不満や心配事を発信するものが多かったが、一部に一方的に自分の要望だけを発信するものがあったと感じられる。
情報発信の動機としては、純粋度は高かったように感じるが、問題点としては発信しっぱなしで終わり、良かれと協力した人が不満を感じることがあったようだ。
2011年の3月11日に東日本大震災が発生した。
こんな中、ほとんどの電話が不通となり、多くの人々を混乱に陥れた。
こんな中、ほぼ通常と同じように使えた連絡手段とは何だったのか。
まずツイッター(twitter)はほぼ機能した。
また、インターネット電話、スカイプも有効だった。
緊急時にTwitterは、大活躍したのだが、負の要素もはっきりと顕在化した。
チェーンメールを受け取った際は、転送は止めてください! 総務省
東北地方太平洋沖地震に関連して、チェーンメール、電子掲示板、ミニブログ等で誤った情報が流れています。
報道や行政機関のウェブサイト等の信頼できる情報源で真偽を確かめ、これらのチェーンメール等に惑わされないようにしましょう。
(チェーンメール等でご注意いただきたい事項は、別紙をご参照ください)
また、チェーンメールを転送することは、いたずらに不安感をあおることにつながります。チェーンメールを受け取った時は、すみやかに削除して転送を止めて下さい。
負の要素として顕在化した『拡散希望』は、『デマ』や『チェーンメール』として出回った。
まず、『デマ』と『拡散希望』をGoogle Trendsで比較すると、
『拡散希望』は、『デマ』にシフトしたように感じられる。
これに、『チェーンメール』を加えて比較すると、
東日本大震災の時には、『拡散希望』は、多くの『デマ』を『チェーンメール』化させたが、検索期間を直近5年にすると、
『拡散希望』や『チェーンメール』のように呼び名だけでは、良いことなのか、悪いことなのか、がわからない言い方よりも、よくわからないものは『デマ』、と括られ始めてるような気がする。
今日出ていた下の記事を見て、なぜか『拡散希望』が終わりを迎えたような気がした。
消えた7億フォロワー、揺れる「いいね!」 2018/8/11 日本経済新聞
ツイッターとフェイスブックの米SNS(交流サイト)2社が1月以降、計7億件の偽アカウントを削除したことが分かった。
汚染を放置し続ければ、データエコノミー全体の透明性が曇りかねない。ジョージ・アカロフ米教授が提唱した「レモンの原理」が重く響く。レモンとは外見から判別しにくい欠陥品を指す。利用者が嘘か本当か見分けにくい情報があふれかえれば、ネット社会そのものの信用性も失われ立ちゆかなくなってしまう。