何か分からないことや悩みがあると、答えが書いてありそうな本を探したくなる。
ちょっとしたことならばネット検索でも構わないのだが、より以上を求めると本を求めてしまう。
昔は、ビジネスというジャンルは凄く狭いものだったが、現在では、人生の中心にはビジネスが無視できないようになってしまった。
遊びや趣味が大事だと思っている人でも、ビジネスは無視できないものとして生活の中心に存在してる人が多いだろう。
ビジネス関連の本は長い間、その時々の旬のテーマを取り上げていた。
つまり、『今』を教えてくれるものであった。
昭和は、“寄らば大樹の陰”が前提だったので、組織の中で上手く立ち回ることが重要だった。
平成に入りバブルが崩壊すると、寄らば大樹の陰に疑問が出始め、組織の中での振る舞い方だけでなく、個の実力を高めるという価値観が少しづつ広まり出した。
個の実力が求められると、謳い文句は"即戦力"となり、プロセスよりも結果が重要視されるようになる。
時間を掛けて、商品やサービスを育てるよりも、投資やマネーゲームの方が脚光を浴びるようになる。
こういう変化が起きていたことが、ビジネス書の変遷に感じ取ることができるが、それは後から振り返る事で分かることで、リアルタイムでは私は分かっていなかった。
このような変化をリアルタイムで掴んでいた人たちが、時代をリードしたはずだ。
そして、今現在も新しい変化は進行中だ。
時代はどこに向かっているのか、その変化を掴むために足りないものは何だろうか?
だから、ついつい本に頼ってしまうのだろう。
私を含めて凡人は、もっと情報があればと思ってしまうが、足りないものは、感じ取る洞察力や、バクチを打つ度胸なのかもしれない。
しかし、ブログを書くようになって、本を読む時に、どれだけの情報を持っていれば同じ内容を書くことができるだろうかと考えることがある。
そうすると、足りない情報が何なのかを感じることができる。
あるいは、情報は揃ってるがその解釈や処理の仕方の違いで差が付いていることを感じたりすることができる。
本のレビューを見ると、多くの人は読者としての立場のみの視点で本を評価してるが、書く立場になって考えると見えてくるものが違ってくる。
私が、書く立場になって見る時に気にすることは、「そこにメッセージがあるか?」だ。
読者のみの視点で見ていると、初めて知ることに価値を感じがちで、知ってることが書いてあると損をした気になるが、そこにメッセージを感じ取れれば、不思議な事に感情移入が起きる。
感情移入が起きると、知っていることが書いてあっても、再発見を感じられる。
知らないことを知るのはとても楽しいが、既に知ってることの中にも再発見が潜んでいることを忘れてはいけない。
あらゆる情報がタイムラインを駆け抜け消えていく時代だからこそ、再発見をバカにしてはいけない。
再発見には、温故知新と似た匂いがありそうだ。