『スウェーデンのカロリンスカ研究所は1日、2018年のノーベル医学生理学賞を京都大高等研究院の本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授(76)と米テキサス大のジェームズ・アリソン教授の2氏に授与すると発表した。本庶氏は免疫の働きにブレーキをかけるたんぱく質「PD-1」を発見し、このブレーキを取り除くことでがん細胞を攻撃する新しいタイプの「がん免疫療法」の開発に結びつけた功績が評価された。』
と報道されるように日本人がノーベル賞を受賞した。
ウィキペディアのノーベル賞によると、
この遺言においてノーベルは、「私のすべての換金可能な財は、次の方法で処理されなくてはならない。私の遺言執行者が安全な有価証券に投資し継続される基金を設立し、その毎年の利子について、前年に人類のために最大たる貢献をした人々に分配されるものとする」と残している。
※下線太字にしたのは私
『人類のために最大たる貢献』を評価された人は、どういう発言をするだろうか?
2年前ノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典さん(東工大栄誉教授)は、「『役に立つ』ということが、とても社会をだめにしていると思っています。科学で役に立つって『数年後に起業できる』ことと同義語のように使われることが、とても問題だと思っています」と、日本における基礎研究の在り方を嘆く発言をした。
そして先ずは周辺の人々から。
今年も同じことを繰り返していることを嘆く発言が目立つ。
ノーベル賞を受賞した研究者のみなさんが「基礎研究が大事」とか、成功するかどうか分からないから「薄く広く研究費を」と文科省などに言い続けているが、まるで改善されないまま、「また日本人がノーベル賞!」という報道が展開されるのは恐ろしい。兵站乏しき中の成果強調みたいなもんだ
— 藤代裕之「風の人」重版出来! (@fujisiro) October 1, 2018
凄いよな…歴代のノーベル賞取った学者さんが皆声を揃えて「もっと予算を出して若手に研究する機会を作るべき」って何度も何度も言ってるのに、なぜか「うわあ取った凄い!こんな人柄で奥様はこんな人!」とだけ言って肝心のコメントに対してアクションを促すような事が一切無いのを毎年繰り返してる
— 鎧塚みぞれの眼 (@tororosoba) October 1, 2018
日本(国家として)や日本人は、オリンピックで金メダルを獲ったり、ノーベル賞を獲ると、次のような反応をすることが多い。
日本人のノーベル賞受賞に「日本スゲエ」って興奮している分にはまだいいけど、それに比べて韓国、中国はノーベル賞受賞者が、って言っているツイートを見かけてしまいたした。悪いけども、ノーベル賞を取って偉いのは受賞者であって、あなたたちではないので勘違いしないようにしてくださいね。
— ナウちゃん(箱の会会員) (@nauchan0626) October 1, 2018
2年前の大隅良典さんは基礎研究の扱いを嘆く発言をしたが、今年の本庶佑さんも名言を発している。
【科学誌9割はうそ 本庶氏説く】https://t.co/hNG3pNeeYJ
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) October 1, 2018
ノーベル賞を受賞した本庶佑氏が記者会見。「(科学誌の)ネイチャーやサイエンスに出ているものの9割はうそで、10年たったら残って1割」。自分の目で確かめることの大切さを説いた。
専門家が躍起になって投稿する論文を取り扱う権威がある科学誌ですら、内容の9割はうそだと、とても気持ち良い発言をした。
うそを見抜くためには疑いを持つことが大事だが、疑い方にもルールがある。
ノーベル賞を受賞した本庶先生が「教科書に書いてあることを信じない 常に疑いを持ち本当はどうなっているかという事を大切に」って言ったらしいのだけど、それを大切にしないといけない人は教科書をほぼ完全に理解した人だと思うので、この中野さんのツイ、本当にそうだぞって声を大にして言いたい https://t.co/GNZ4zoycgA
— 🍆nasu🍆 (@nascheveningen) October 1, 2018
本庶さんの「9割はうそ」発言を裏付けるように、
本庶先生がノーベル賞を受賞されたことで「免疫療法」で検索する人が増えると思います。
— 武矢けいゆう@外科医の視点 (@keiyou30) October 1, 2018
残念ながらGoogleの上位には、自由診療で行われる似て非なる高額のがん治療の宣伝が並ぶため注意が必要です。
免疫療法の説明は、国立がんセンターのHPが最も分かりやすいです。https://t.co/7b42zCcfx9
ビジネスの世界ではユニクロの柳井正氏は1勝9敗だと言ったように、成功や真実の発見には、多くの失敗があって当たり前なのだが、効率や生産性という発想が失敗を許容しなくなっている。
許容されにくくなった失敗を繰り返す中で、本庶佑さんの拠り所になっていたのは何だろうか?
一つはタイミングの良さだ。
これは運と言っても良いだろう。
「自分が研究をしていたタイミングは日本の科学研究費が伸びる時期に合っていた」「生命科学に投資しない国は未来がない」。
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) October 2, 2018
ノーベル生理学・医学賞の受賞決定から一夜明けた本庶佑・京都大学特別教授が取材に応じました。https://t.co/QF7JcvY3Yc
しかし、最も大きいのはこれだろう。
「『あんたのおかげだ』と患者さんにいわれることが、これ以上の幸せはない。自分の生きた存在として、これほどうれしいことはない」
— 産経ニュース (@Sankei_news) October 1, 2018
ノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学・本庶佑特別教授が研究者として最高の栄誉に輝いた喜びを語りました。https://t.co/7cHI2uGsHf#ノーベル賞
効率化が進み、生産性が高まった結果産み出されるものの多くは、人々にそれなりの満足を提供することができるが、そこに感謝や喜びはあるだろうか?
人はパンのみにて生きるにあらず!と、いつも肝に銘ずるように復唱する。しかしながら、見渡してみれば、パンを至上とする人々が集まってうごめいているのがそれぞれの世界だ。そして自分が思うことも世間に対するひとつの欲であり、社会というシステムを呪ってみる・・・午前5時なふ。
— yoshitomo nara (@michinara3) April 20, 2018
すべての分野で二極化が進んでいるようだ。