違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

アンテナと引き出し!

タイムライン上を次々と情報が駆け抜けていく。

 

情報は次から次に出てくるが全部を追い切れるわけではない。

 

結果的に、追い切れなかった情報は一旦消えたのと同じことになる。

 

情報を追う際に、ある特定の情報に反応すること(できること)を比喩的にアンテナやレーダーに引っかかると表現することがある。

 

だから、追い切れなかった情報は、アンテナやレーダーに引っかからなかったと表現される。

 

アンテナやレーダーに反応するのは、一定の条件や特徴を備えたものになるので、アンテナやレーダーに引っかかった情報の蓄積が増えるほどに、関連する分野に特化した専門情報が集まることになる。

 

この傾向が当てはまる人ほど、その道の専門家と言われたり、趣味嗜好が嵩じたオタクとよばれるようになる。

 

ものごとには、瞬時に反応しなければいけないことと、少々時間はかかっても正しく反応しなければいけないことがある。

 

現代は、瞬時に反応できることを求められることが多い。

 

そうすると、アンテナやレーダーに引っかかった時点で反応しようとして、情報の咀嚼が不十分なまま反応することが増える。

 

情報の咀嚼が不十分なまま反応することが良い結果につながる事は少ないはずだ。

 

こういうことを減らし、無くすためには、アンテナやレーダーに引っかかる前の段階での準備が大事になる。

 

アンテナやレーダーに引っかかるのは、いわゆる流れてるフロー状態の情報になる、本来は引っかかった後で咀嚼し吟味しなければいけないが、そのためにかかる時間を現代は嫌がるのであれば、咀嚼や吟味のプロセスはアンテナやレーダーに引っかかる前に為されておく必要がある。

 

そうなると、なんの役に立つのか分からない段階で情報の咀嚼や吟味が行われていなければいけないことになる。

 

なんだか矛盾を感じる話になるが、たびたびブログで引用した3年前の話を思い出す。

 

日本発のノーベル賞は減っていく……」 科学界に不安が広がる理由 2016/10/06

今年、ノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典さん(東工大栄誉教授)の発言が注目されている。基礎研究についての発言だ。

「『役に立つ』ということが、とても社会をだめにしていると思っています。科学で役に立つって『数年後に起業できる』ことと同義語のように使われることが、とても問題だと思っています」

 

 

 

日本だけの話なのかもしれないが、先人の知恵のストックを食い尽くすことで一定の成果を上げてきたが、ストックが底をつき始めてフローでなんとかしようとしてるが、フローだけでは咀嚼や吟味が不足するという現実を突き付けられているのが今だ。

 

フローを重視するとアンテナやレーダーが重要だと考えるようになり、ヒラメキなんていうのはフローしてる情報への反応だと思いがちだが、実際にはフローしてる情報がキッカケでストックしてる知識や情報と結び付いた時にヒラメキが生まれてると考えた方が的を射てるだろう。

 

だとすれば、ヒラメキは突然降りてくるものではなく、ストックしてる情報や知識の有効活用の一種と言えるだろう。

 

ストックしている情報や知識を瞬時に活かせるためには、きちんと理解してるかあるいは容易に検索可能な状態に整理されてる必要がある。

 

ストックしてる情報や知識がヒラメキの役に立つときは、ストックされてるのは頭の中で、外部の記憶媒体に保存されてるだけの状態ならばヒラメキには繋がらないだろう。

 

情報や知識を上手にストックする事は、使いやすく整理整頓された引き出しに似ている。

 

アンテナやレーダーを活かすも殺すも『引き出し』しだいだと思うと、デジタルを活かすためにはアナログが大事となるところが、まだまだ人間が主人公として通用しそうでおもしろい。