自分の人生は、自分で選んでいると思ってる人は多いかもしれないが、選んでいると言うよりも、選ばされているという方が当てはまっているかもしれない。
機械の登場によって人間の職業分布はどのように変化したのか? Gigazine
このサイトの事例はすべてアメリカの話で、以下で引用するグラフはこのサイトからの引用。
人口に占める職業の割合の推移が下のグラフ。
同じグラフを実際の人数で示すと下のグラフになる。
アメリカの話だが、日本を含めて先進国と言われる国に共通してるだろう。
機械が登場したことで、職業分布の在り方が大きく変わったと同時に、機械化は人間の寿命を伸ばしながら、人間の数も増やしていったことが分かる。
機械化は、工場労働者はもちろん減少させたのだが、メカニックや修理に携わる職業も減少させていたのだ、それを示すのが下のグラフ。
次に増加した職業を見ると、日本でも当てはまる現象だと気付く。
日本では不景気になると公務員が人気になると言われるが、それはアメリカでも同じようで次のグラフは消防士と警察官の推移だ。
消防士や警察官は使命感ややりがいで語られる事が多いが、当然それだけではないだろう。
増加した職業には大学教授というものもある。
日本でも、テレビに出てた有名人が、気が付いたら軒並み大学教授になっていたということが1990年台から増えたことを覚えている人は大勢いるだろう。
下のグラフは大学教授の数の推移だ。
超マイナーな職業だと思われている、芸術家や俳優、音楽家、デザイナーのような個性を活かした手に職を持つ分野も増え続けている。
テレビや映画を見ていると、アメリカでは弁護士という職業は猫でもなれるようなイメージを持っていたが、勝ち組職業と言われながらも大きく増えるわけではない、下のグラフは法律家の推移だ。
同様に医者も大きく増えるわけではない。
法律家や医者が増えないのは、難度の高さがハードルになっているのだろう。
人は、どこへ向かうのだろうか?
現代は。機械化の次のIT化やロボット化が到るところに浸透しているが、機械化が拓いた世界以上のものはまだ顕在化していないように感じる。
新しいものとは、これまで無かったものだとすると、アイデアもどんどん先細りになるだけかもしれない。
「究極の製造小売業とは、自分でお金を出して作った会社の株を、事業を成長させ価値あるものに育て上げ、それを新しい株主に販売することだ」と言っていた人がいたなあ。ザ・資本主義。元気かなー?
— Yusaku Maezawa (MZ) 前澤友作 (@yousuck2020) October 20, 2018
人間は、いろんな尺度をあてがわれ位置づけられ分類され、多様な分布を形成するが、それぞれの人が自分自身を中央に置いて分布を考えるだろう。
そして、中央にいるという状態を"普通"と位置づける。
ネット民が言う「普通の日本人」
— Sr223tw (@sr223twit_ter) June 14, 2018
婚活女性が求める「普通の男性」
老害の言う「普通の人間」
バブル世代の言う「普通の生活」
だいたいどれも平均値や中央値から離れており、分布的には「普通」よりも「快速急行」ぐらいが妥当な気がする。
ところで、人間の分布について考えていると、私の場合、どうしてもサイレントマジョリティーとノイジーマイノリティという関係が頭から離れなくなる、病名が与えられることで病気が認識されるように、ノイジーマイノリティとことばが当てはめられたことで、騒がしく文句を言う人は一部の人だけで声が大きいから影響力を持つが、実態は少数派であると認識されるようになった。
このように、人間の分布は均等ではなく、かなり偏っているかもしれないという事実は生活の身近に多く見られる。
一方で、受験時代に慣れ親しんだ「偏差値」のように人間は均等に分布しているという先入観も持っていて、人間はグラデーションを描くように分布してると考えたくなる時がある。
最近では、収入や健康に関して「格差」ということばも定着したが、これも人間は均等に分布してるわけではないということを示しているように感じながらも、格差はグラデーションを描いているのかもとも感じている。
人間の分布と格差は表裏一体の側面がある。
人間界では、格差は理不尽なこととされるが、自然界では格差はエコシステムとして機能する仕組みがある。
力なき者が生き残るには、危機察知能力が重要だ。
— 沢村直樹「民主主義を取り戻す市民の会」(仮称) (@iminnhantai) September 16, 2018
危機を察知したら、可能な限り多くの者と情報を共有し、
団結して抗議の声を上げる事だ。
それが過激な新自由主義(貧富の格差が拡大する世界で)
生き残る、唯一の方法である。
自然界でイワシの大群が、大きな魚に対抗するのと同じである。 pic.twitter.com/R4vBqTJnl7
自然界の格差は、異なる種との関係性(=弱肉強食)で語られることが多いが、人間界では人間という同一種の間で生じる問題だ。
1800年から2015年にかけての世界の収入分布の変化。面白い。世界は豊かになり、格差も縮まっている。中国等アジアの国々の躍進。単なる平均値だけを追っていては流れがつかめない。分布を見ることが大事。https://t.co/KQjEpgeLLs pic.twitter.com/InNq8Iqaw3
— Kenji Shiraishi (@Knjshiraishi) May 3, 2018
このグラフの動きを見ていると、逃げ惑うイワシの動きに見えなくもない。
人間の分布や格差について考えていたら、人間全体としては決して悪い方向に向かっているわけではないと分かる。
ただ、それを実感するためには人生は少々短すぎるかもしれない。
人間は、どこに向かっているのだろう?