2018年度も今日で終わり、明日はいよいよ新元号が発表される。
もう、西暦だけでいいよと思いながらも気にしてるところに自分が日本人であることが感じられる。
日本人であると言えば、最近テレビの影響で俳句がおもしろいと思い始めてる。
そのテレビ番組の名前は『プレバト』。
名前の由来がわからないので検索すると、当初は『使える芸能人は誰だ、プレッシャーバトル』だったと判明。
番組のノリとしては『格付けチェック』とほぼ同じだとわかるが、見てると印象はまるで違う。
格付けチェックには、芸能人に文化度の高さを感じないが、プレバトには芸能人の才能が感じられる。
このプレバトで最も人気があるのが俳句であることは、俳句のコーナーへの時間の割り当てから想像できる。
堅苦しい俳句に対して、気軽な川柳というイメージがあるが、Google Trendsで比較すると、最近は俳句人気が川柳を上回ってることが感じられる。
俳句に対する川柳の特徴としての気軽さやわかりやすさは、日常生活の中での風刺や皮肉が表現されるからだろうが、川柳にはそれ以外にもダジャレや韻の踏み方でラップのようなノリも醸し出せるからだろう。
3秒で思いついた川柳が京都市長賞に選ばれてしまったのマジで申し訳ない
— まぐとろ (@Maguto6) March 26, 2019
しかもツイートした垢は普段音ゲーと麻雀とクソツイートしかしてないので尚更 pic.twitter.com/lAQjGcKGDe
俳句と川柳の違いは、決定的には季語がいるかいらないか。
それ以外にも、俳句のほうが様式美にこだわりを持っている。
自由で気軽が助長されるとアイデアの企画化が進み、斬新なアイデアも陳腐な企画という予定調和化が感じられるようになり、少々のことでは新鮮な感動を味わえなくなる。
行き過ぎた自由や気軽さは、新鮮さを求めて、少し堅苦しい世界に活路を見出そうとしてるのかもしれない。
そんな動きの一つが、俳句のような様式美に則って世相や日常を表現するということかもしれない。
プレバトの俳句人気と共通する要素を感じるのが『ポツンと一軒家』。
『ポツンと一軒家』には廃墟が人気なことと共通するその由来や、まつわるエピソードや伝説への興味のほうが、作られた企画への興味を上回る力があるのかもしれない。
番組をヒットさせるためにどのような仕掛けを入れたのか。植田貴之チーフプロデューサー(ABCテレビ)を直撃したら、ヒットを狙った戦略といえるものなど特になく、「レギュラー化は考えていなかった」というのだ。
番組打ち切りという切羽詰まった状況で降って湧いたような企画だったが、
番組タイトルも視聴者の心を巧みにつかんだ。「そんなにあれこれ悩まずに、自然とついたんですよね、『ポツンと一軒家』って。もう、衛星写真を見たそのままの印象というか。これほど番組内容を表せるタイトルはほかにない」。
俳句ならば、5音+7音+5音の17音で表現を完了させ、なおかつイメージを広げさせなければいけない。
奇をてらったことをしたいと思っても簡単にはできない。
『ポツンと一軒家』も一歩間違うと世界遺産気取りかよとなるだろう、あくまでもひっそりと人知れず存在してるからこその魅力なのだ。
企画優先の時代には、企画と無縁のものが逆に新鮮になっている。