子供が犠牲になる痛ましい事件が、いつもどこかで起きているような気すらするのが最近の日本で、事件や事故で子供が犠牲になった話を聞くたびに心が重くなる。
同じように感じる人は大勢いると思うが、悲しい出来事が実際に頻繁に起きているのか、それともごく少数の出来事が大きく報道されてるだけなのか、少子化の現代に命を授かった子供の命はどのくらい守られているのかを調べてみた。
少子化のペースがどのくらいかというと、
http://www.garbagenews.net/archives/2013423.html
この出生数に対して、子供の死亡のデータを探してみると、『5歳未満の死亡率』という1950年〜2015年の推移を示すものがあった。
出生数1000人あたりの死亡数をグラフ化したもの。
https://jp.knoema.com/atlas/日本/topics/人口統計/死亡/5歳未満の死亡率
死因については触れてないので想像するしかないが、その時の気分で想像する内容は変わりそうで、悲惨な事件や事故を知った直後だと同種のことで亡くなってる子が多いと錯覚するのもしょうがないだろう。
ちなみに2015年の値は2.85。
2015年の出生数は、100.6万人。
2015年に5歳未満で亡くなった子供の数は2867人となる。
このうちのごく一部が不幸な出来事として報道されているのだろうが、あくまでも全体に占める割合ということで言えば、日本では子供の命は守られていると言って良いのかもしれないと思える。
最もこれは死亡事例の話だから、虐待にまで範囲を広げると印象は全然違ったものになるだろう。
国勢調査に基づく国民の平均余命(=残りの寿命)を算出する統計ビッグデータに生命表がある。
世間で平均寿命と言われているのは、0歳児の平均余命のことで、男性81歳、女性87歳だが、実際に80歳まで生きた男性の平均余命も85歳まで生きた女性の平均余命もともに8年となっている。
生命表を見てると気付くが、現在年齢+平均余命は0歳の時が最も短い。
寿命自体が短い時代も同じだ。
このことは、生まれた子供にとって1歳の誕生日を迎えることが今も昔もハードルとなってる事を示してる。
それにしても、私たちの日常に身近でないだけで、小さな子供の死亡は決して珍しいことではないと分かる。
少し検索するだけで多くの情報が出てくるが、日本限定で調べていたので、後から見て再度気持ちがドヨ〜ンと重くなったのがユニセフの世界データ。
この数年、毎年500〜600万人の5歳未満の子供が世界で亡くなっているのだ。
ユニセフのデータを見ると、日本の5歳未満の死亡率の順位は179位(複数国ある)と出てくる。
日本は、数字で見る限りは子供が生きやすい国のはずだが、なぜか子供に優しい国だとは思えないことが増えている。
たくさんの赤ちゃんの命を看取った経験を持つ人は、自然と身に付ける哲学がある、『弱く生まれたあなたが悪いのよ、次は強く生まれなさい』。
世間で起きてる悲惨な出来事に心が痛んでしまうような時、共感してるから心が痛むと思いがちだが、実際には哲学の不足が心を動揺させているのかもしれない。
悲しい出来事に心が乱れる時は、自分の哲学を疑うことを思い出すと良いだろう。