世の中にはさまざまな対立軸があるが、いかにも今時らしい出来事があった。
格闘技のヤフコメ巡りトラブル 初対面の相手に傷害容疑https://t.co/lzSKXL4B5I
— 朝日新聞名古屋編集局 (@asahi_nagoya) July 23, 2019
インターネット上で格闘技のニュースに関する書き込みをめぐってトラブルになった相手に暴行を加えたなどとして、警視庁は23日、東京都新宿区の無職世古哲也容疑者(41)を傷害と窃盗の疑いで逮捕した。
必ずしも相手のことが嫌いなわけではないのに闘うのが格闘技だが、おそらく闘ってる間に嫌いという感情が盛り上がることがあっても何の不思議もないが、同じことは格闘技ファンにも当てはまるということだろう。
サッカーや野球でもファン同士がもめるということは決して珍しくないが、その場合は試合中や試合直後にスタジアムの近くで発生したり、試合の中継を見ながら(聞きながら)飲んでいたりなどリアルな場が舞台になるが、上記の出来事はバーチャルな場で盛り上がった二人がわざわざリアルな場を設けてバトルをしたところに今時が感じられた。
対立軸が生まれる(=設定される)と、自然と敵と味方に分かれることになる。
昔から、考え方の違いが政治思想にまでつながり対立することとして「右派」「左派」というものがある。
次のツイートはメディアに関する右派と左派を分かりやすく示したものだ。
デザイナーのIさんが教えてくれたのですが、週刊ダイヤモンド11/18号「メディア右派・左派度マップ」に、「現代書館」も記載されています! 少なくとも権威的性格を有する出版社ではないとのご評価を頂戴したと前向きに受け止めたく存じます♪ pic.twitter.com/o8044Iltin
— 現代書館 (@gendaishokan) November 28, 2017
同じネタを扱っても微妙に記事の内容が違うことがあるのは、対立軸が違うと真実の捉え方が変わることを示している。
選挙が行われる政治の世界では、もともとは掲げる理想の違いで対立していたが、21世紀に入ると理想ではなく『人気』を競い対立するようになった、この現象はポピュリズムと呼ばれる。
ポピュリズムは敵を求め、敵がいることで求心力が生まれる。
ざっくり言うと、右派は『愛国者』という内側(内向き)の人達を求め、外側にいる人達や少数派を敵とみなす事が多い。
左派は、ポピュリズムという観点でいうと超富裕層や支配者層を敵とみなし、一般的に言われる弱者や少数派を集め一体化させることで敵と戦おうとする。
戦争や自然災害を想像すると、すべての人が仲良くできることが望ましいと誰もが考えるのに、日常生活における経済行為や趣味ですら多くの人達が競争しあってるので、知らず識らずのうちに敵やライバルを設定することで自己を確立しようとしている。
自分自身が持っている価値観、人生を通して様々な経験を経ることで身に付けた価値観に疑問を持つことは少ないかもしれないが、自分自身の経験だと思っていることの中にはかなり多くのたまたま接しただけの情報というものがあるということが想像できる。
こういうことも広い意味での『情報に振り回される』ということかもしれないと思えてくる。
情報は広く求めるほうが良いのか、それとも絞り込んだほうが良いのか?
広く求めるにしても絞り込むにしても、良いやり方と悪いやり方があるだろうし、もしかしたらただの結果論としてしか判断できないのかもしれない。
このようなことを考えていたら、ビジネスの世界では「リピート客を大事にせよ」という話が多いが、リピート客を大事にするとは情報の絞り込みを意味することに似てるなと感じ、だとすると広く情報を求めることは新規顧客を追い求めることに思えてくる。
次は、新規顧客とリピート客について考えてみたい。