2019年の夏も煽り運転が話題になっている。
従来の煽り運転には、一方的であっても火種となる出来事が伏線としてあるものだと思われていたが、今年話題の煽り運転には伏線となる事前の火種が無いのに起きているように見える。
すでに警察沙汰になりネット上では実名とされる名前も上がっているがまだ逮捕はされていない。
今年話題の煽り運転の場合、煽り運転をすること自体が目的であるように見えるので、動機があるのか無いのかが微妙に感じられる。
獲物を見つけたので反射的に行動したとも言えそうだ。
こういう相手と出くわした時、どうすれば良いかは非常に難しい。
考えても名案が浮かばないので、代わりにこのような人間がなぜ生まれるのかを考えてみた。
狂った本能が原因だとも言えるが、心の病気のようにも感じられる。
心の病気について考えていると、スポーツの世界で用いられるイップスに思い当たった。
イップス (yips) は、精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、突然自分の思い通りのプレー(動き)や意識が出来なくなる症状のことである。本来はゴルフの分野で用いられ始めた言葉だが、現在ではスポーツ全般で使われるようになっている。
犯したミスプレーがトラウマになるのだが、平常時には問題はない。
問題が発生するのは、ここ一番でのプレーやピンチやチャンスの時。
身体能力には全く問題ないのに選手として使いものにならなくなる。
イップスの正体は心理学的には「予期不安」だと言われる。
「またこの前のような失敗をするかも、と予期するときの脳の働き」が原因。
鍵を握るのは脳の後部にある小脳だと言われる。
人間の行動の大半は無意識によるもので小脳が司る。
無意識ではない行動は、大脳から伝達された情報を小脳が処理して必要な指示が大脳の運動野(体に運動を命令する場所)に送られるのが本来の流れ。
イップスをはじめとして人間がおかしな行動を敢えて取る場合は、緊張状態など何らかの理由で、小脳が情報を処理しきれなかったり、運動野への伝達が困難になったりすることで、「なにをやってるんだ」という行動が起こる。
プロスポーツの世界で活躍する選手の多くは、イップスを経験しそれを克服してると言われる。
将来を嘱望されながら消えていった選手は、イップスなどの克服できない何かがあった場合がほとんどだろう。
どこからどう見ても過剰な攻撃性を発揮してるように見える煽り運転も、心理学や脳科学の被験者としてデータの収集が進むと、攻撃性と正反対の不安や自信の無さが原因だと分かるかもしれない。
煽り運転をはじめとする理不尽な行為の被害者にならないためにはアンテナの感度を上げるしかない。
アンテナの感度を下げさせる要素には、「自分は正しい」「自分はルールに従っている」などがある。
狂った野獣は、アンテナの感度が悪そうな人を狙ってくる!