TwitterでBMWと検索すると、同時検索の候補に風評被害と出てくる。
宮崎文夫のおかげでBMWが悪者扱いされるという現象が起きているらしい。
しかし次のような記事も出ているので宮崎文夫が現れる前から傾向としてあったようだし、今となっては日本だけでなく世界共通の傾向と言えそうだ。
なぜ「BMW」は叩かれるのか “自己チュードライバー”のアイコンになる日
事件前からTwitterでは「BMWって運転マナーの悪いドライバーが多い印象」という声が寄せられ、YouTubeでも、悪質な運転をするBMWの動画がアップされている。
世界各国で展開する自動車メディア『Motor1.com』の「BMW Drivers Are The Worst On U.K. Roads」(2018年10月5日)という記事によれば、英国の保険比較サイト「GoCompare」が、2000人のユーザを対象に「英国にて最も迷惑な運転をするドライバーの車は何?」というアンケートを実施したところ、1位に輝いたのは「BMW」(24%)だったという。
6年前のウォール・ストリート・ジャーナルでは、「BMWのドライバーは本当に自分勝手=英米の調査」(2013年8月15日)という記事で、2つの興味深い調査を紹介している。
まず1つ目は、カリフォルニア大学バークレー校の性格・社会調査研究所が行った調査で、歩行者が横断歩道の端に立って渡ろうとしたところ、どれほどのクルマが法令通りに一時停止をするのか調べたところ、「高級車は歩行者が渡ろうしている横断歩道の前で止まるクルマは少なかった」「BMWのドライバーが最悪だった」(同紙)という。
2つ目はやはり英国で、ドライバー2837人を対象にしたドライバー同士のトラブルを調査したところ、「乱暴運転などが原因のトラブルを起こす最も多い車種はBMWで、車体の色はブルー」「ドライバーの年齢は35~50歳の男性」という結果が出た。
BMWが悪者扱いされるのは、走ってる車の絶対数が多いからとも言えるが、BMWと同じ傾向を示す車にFerrariがある。
Ferrariは、乗用車というカテゴリーではなくスーパーカーに属するが事故が多いことでも知られ、保険会社も余程の大口取引のVIPでない限り車両保険は引き受けないことが多い。
Ferrariに事故が多い理由も世界共通だと言われている。
その理由は、エキゾーストノート(排気音+エンジン音)が気持ち良いかららだと言われている。
Ferrariのエキゾーストノートは、運転者にとっては官能的で陶酔すると表現されることが多い、つまりアルコールや薬物を摂取してなくても酔ってるというかラリってる状態になるらしいのだ。
エキゾーストノートに酔いしれるとアクセルを緩めるのが嫌になり、ブレーキを踏むタイミングが遅れるので、結果として事故が多くなると言われる。
ただの判断を誤ったムチャな運転とは違うメカニズムが働いているのだ。
BMWやFerrariに共通してるのは、運転する喜びや楽しさや気持ち良さを追求してることで、スペックのみの高性能を求めてるわけではない。
乗らなきゃ分からないが、乗れば分かる違いが、ドライバーの感性とシンクロしたら独り善がりな世界に突入することがあるのだ。
1月2日に発生した東北道でのフェラーリ「360モデナ」の事故。事故を誘発したとされる「F50」オーナーの高屋敷容疑者(41)が逮捕【動画有】 | Creative Trend https://t.co/bkO8nYtL0x#フェラーリ #ferrari #F50 #360モデナ #高屋敷諭 #高屋敷興業 #フェラーリ事故 #東北道
— Creative Trend (@creative0311) March 4, 2019
そう言えばと思い出したのがこの事故。
ついこの前の出来事だと思っていたらなんと8年前だった。
フェラーリやランボルギーニ…13台が事故 中国道 日本経済新聞
高速隊によると、フェラーリが緩い上り坂の左カーブでスリップし、中央分離帯にぶつかって停止。後続車が接触したり追突したりし、現場には約400メートルにわたって部品などが散乱した。
個人的には、音の魔力が事故を誘ったと思っている。
この種の事故は傍から見ると、ストレス解消に見えたり、エンジンのパワーを自分のパワーと勘違いしているなどと捉えられるが、実際には少し違うメカニズムで動いていることもある。
もっとも、宮崎文夫の運転はまた別のメカニズムに支配されていたように感じられる。
宮崎文夫の場合は、感性の赴くままに行動したというよりも、薬物中毒のような刺激で我を見失ったように見えるが、報道で伝わる内容を見てると、我を見失った状態が日常の我になっていたように見える。
宮崎文夫は、ディーラーから3日間の約束で借りていたがその後約3週間返却しないでディーラーには「この車が気に入った」と言っていたところを見ると、BMWと宮崎文夫の感性はシンクロしていたのだろう。
宮崎文夫が薬物をやっていたとすればBMWにとっては風評被害と言えそうだが、薬物をやっていないとすれば風評被害とは言えないかもしれない。
BMWが好きで気に入ってるドライバーには、大なり小なり宮崎文夫的な要素があると思った方が良いかもしれない。