よく目にしたり耳にすることばにプロパーがある。
わたしの場合、このことばを直接会話や文書の中で用いたことは過去に無く、今日初めて用いている。
当然、意味は文脈から判断していただけできちんと理解していたわけではなかった。
今日プロパーを取り上げたいという気になったのは次の記事を見たから。
プロパー至上主義の実態、新卒と中途で会社への評価はこんなに違った
今回はOpenWorkの社員クチコミデータを用いて、年代別に会社への評価がどのように変わるのか、新卒入社者と中途入社者によっても異なるのかを分析し、知られざる両者のギャップを明らかにします。
この記事の中ではプロパーは、新卒で入社しその後も同じ会社に勤め続ける人のことを意味していて、中途入社がその反対語に当たる。
プロパーということばの意味をややこしくさせるのは、製薬会社の社員で病院に営業する人の呼称にも用いられること。
新卒入社社員を意味するプロパーは、英語のproperで『適当な,正式の,特有の,適切な,ふさわしい,似合う,正しい,礼儀正しい,上品な,正常の,固有の,独特の』という意味で使われていて、研究開発の分野における専攻を意味することにも使われる。
それに対して製薬会社の社員に用いられるプロパーは、(悪い意味で)広告宣伝する人を意味し、英語のpropagandistから来ているらしいので、プロパーの使われ方としては例外になる。
GoogleTrendsで検索可能な2004年以降でプロパーを見ると、
2004年にはそれなりの認知と需要があることばだったと分かる。
ではプロパーに関連するトピックやキーワードはと言うと、
ご覧のようにカードやローンが出てくる。
その他に、高級品の取り扱いや金融の世界でもプロパーが使われることが多いが、誤解を恐れずにザックリ言うと正規という意味で使われ、得をするというよりも、信用や信頼の証としてステータスが高いという自己満足が得られるという効果に留まることが多い。
プロパーには、日本人が好きな『伝統的な』『由緒正しい』『無垢で汚れを知らない』というニュアンスが感じられる。
プロパーには、血筋の良さや名誉に本当は拘っている人に訴求力がありそうだ。
カードの世界の『ゴールド』や『プラチナ』や『ブラック』などもプロパー戦略から生まれているのだ。
これまで、分かるような分からないようなことばだったプロパーだが調べてみると、マズローの欲求5段階でいうと4段目の『承認の欲求』を満たすために存在してるように感じる。
- 自己実現の欲求 (Self-actualization)
- 承認(尊重)の欲求 (Esteem)
- 社会的欲求 / 所属と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
- 安全の欲求 (Safety needs)
- 生理的欲求 (Physiological needs)
プロパーに拘る人は、他人の目や、他人からの評価を気にしているはずだ。