違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

デザインがロジックと感情をつなぐ!

マーケティングの世界では、

 

お客様は、

 

ロジックよりは感情で行動する、

 

という鉄則がある。(らしい)

 

これは、ロジックはどうでも良いというわけではなく、感情も掴めなければ上手くいかないという意味だが、ことばが簡単な割には意味することはとても奥が深いので、実際に行動で示して結果を出すのは難しい。

 

人生をずっと遡って子供時代の薄れゆく記憶を引っ張り出すと、好きになるものは感情にアピールするものばかりだった。

 

数年前に実際に現代の子供の間で流行っていたもので、大人も夢中になっていたものにハンドスピナーがある。

 

私はどこがおもしろいのか全く分からなかったが、落ち着きのない3歳児が落ち着くなどの効果もあったらしい。

 

3歳児が落ち着いたのは、ロジックとは関係ない何かが作用しそれが子供の感情とシンクロしたのだろう。

 

一方、子育て中の子供に悪戦苦闘していた親にとってはハンドスピナーで子育てに関して楽ができるならありがたいというロジックが働きやすかっただろうが、実際に買った親は自身も欲しいという感情がありその感情を正当化するために子育てに役立つらしいよというロジックを利用したかもしれない。

 

魅力をアピールしようとする時に何を考えるだろうか?

 

商品やサービスの魅力をアピールする場合に、その商品やサービスを使うと何ができるか、どの程度のことができるかをアピールする場合の展開はロジックが大切になる。

 

感情にアピール場合は、気持ちや気分を刺激することを目的にするので形容詞が増えてくる。

 

大人になると、形容詞でアピールすることを子供っぽいと感じるようになる人が多いかもしれない、わたしはその典型かもしれない。

 

自分に足りないものがあるとしたら、形容詞を使って感情にアピールする術だろうなと感じている。

 

そこで、ロジックというよりも感情にアピールすることが上手だと評判のジャパネットのカタログ雑誌を改めて見てみると、実に巧みにロジックと感情の使い分けがされてることに気付く。

 

ロジック派だったら形容詞に頼るような表現を、詳しく説明してるのか曖昧に説明してるのかがどちらにも取れるような説明文で表現されている。

 

曖昧に感じることに対してロジック派は、すぐに形容詞を抜きにして内容を確認しようとする。

 

次のツイートを見て私と似てるなと思った。

 

 

ロジックよりも感情を重視してると言えばジャパネットよりもこちらが本家と言った方が良いかもしれないのがAppleだ。

 

初代のiPadがデビューした頃の売り文句は、

 

デジタルの世界を広げる

未知の体験をあなたに

 

かつてないほど気軽な存在

 

 

具体的なスペックでアピールするのではなく、使ってる自分を想像させ、使いたいと思うような表現をしているが、既に一定の評価を受けているからこそ通用してるが、実績がないのに同じ表現をしても通用しない気がする。

 

感情にアピールするというのは双方向のコミュニケーションで成立すると分かる。

 

それに対して、ロジックでのアピールはピンポイントでそのロジックを求めていた人との間では双方向性が成り立つが、多くの場合は一方通行で終わりそうだ。

 

初代のiPadが出た頃は、MacBook Airもまだ今のように一般的ではなかったが、その売り文句は、

 

 

ノートマシンの新しい提案

 

所有の喜びを感じるデザイン

 

 

ロジックと感情は、ともすれば対立関係だと思いがちだが、この二つの仲を上手にとり持つことができるのがデザインかもしれない。

 

デザインというのは意味が広いことばで、単に色や形を示すだけでなく、使い勝手だったりライフスタイルまでカバーする守備範囲の広さがある。

 

ロジックよりも感情が大事だと思う場合は、広い意味でのデザインを考えると活路が拓けるかもしれない。