映画『鬼滅の刃』が流行っている。
ヒットするには幅広い年齢層の男女に支持される必要がある。
私情を交えることなく冷静に、世間の声からヒットの要因を探ってみた。
Wikipediaには、読者層として小中学生の男女が多いが、ブームを牽引したのは10代から40代の女性だと書いてある。
ブームの牽引力とはすなわち消費力(量)でもある。
そういうことを指摘するツイートがあった。
「鬼滅の刃」が凄いのは、今までのマンガやアニメ市場と違って、消費で支えている人数男女比はほぼ半々なのに、客単価は女性の方が男性より1.6倍位あること。つまり、鬼滅市場は女性の消費で支えられている。「ガンダム」「エヴァ」が9割方男消費だったのと対照的。https://t.co/zUoDjmyTBs
— 荒川和久@「結婚滅亡」著者 (@wildriverpeace) 2020年10月18日
では、なぜ女性が支持したのか?
そして、リピートする人が多いということも併せて探ってみると。
自分はここが好きだとアピールする話はさまざまあるが、大人の女性が支持したということに焦点を当てて絞り込んでいくと、家族関係や人間関係の描き方への感情移入が大きいように感じられる。
経済 『鬼滅の刃』が女性に支持される理由 「隠れ専業主婦願望」も影響か
作家の橘玲さんが分析する。
「現代日本では、“当たり前の家族像”というものはもはや存在しません。離婚する夫婦は年々増え、一生を独身で過ごす人も少なくない。家族関係で悩む人も多い。無償の家族愛は手に入れようとする目標ではなく、虚構とわかったうえで楽しむものになったのかもしれません。
また、現代においては『お父さんもお母さんもいて幸せです』というホームドラマはもう成立しません。“壊れた家族”の方がリアリティーがあるからこそ、妹が鬼になってしまった“家族”を回復させる物語が幅広い人に受け入れられたのではないでしょうか」
『鬼滅の刃』は『千と千尋の神隠し』の記録を抜いたと話題になってるが、『千と千尋の神隠し』は海外でも人気があったが『鬼滅の刃』は海外でもウケるのだろうか?
海外で千と千尋がウケたのは、おとぎ話としての世界観だったと言われている。
『鬼滅の刃』が輸出されるとしたら、どのようなジャンルにカテゴライズされるのだろうか?
こうやって検索しながらブログを書いていると、何となく私のことを言ってるようなツイートが目についた。
鬼滅の刃、もしかしたらなんで売れたのか考察してるのが「大人の男」であることが多いから「売れた理由がよく分からない」ってなってるのかもしれない。
— ニカイドウレンジ🍊 (@R_Nikaido) 2020年10月19日
明確なデータは見つからなかったけど人気の中心は女性と、あとキッズ層で大人男性にはあんまり刺さってない印象。
映画館で鬼滅の刃を観た方の中には泣いてる方も多いと聞いて、私の脳裏には同じアニメの『火垂るの墓』が浮かんでいた。
Twitterで『鬼滅の刃』と『火垂るの墓』を同時検索すると、多くの方がこの二つが結びついてる様子が感じられる。
まだ『鬼滅の刃』を見てないし読んでもいない私にとって、『火垂るの墓』を観て流れる涙と同じ種類の涙なのか、それとも違う種類なのかが興味ある。