違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

なんとなく良さそう!

オワコンだなどと言われながらもまだまだメディアとしての実力は侮れないのがテレビ。

 

視聴者目線では放送される番組内容が全てだが、放送する側にとっては番組内容が全てとは言えない。

 

民放の場合、経営はCMに依存する割合が高いはずなので、CM出稿企業(いわゆるスポンサー)に気に入ってもらえる番組を作る必要がある。

 

CM出稿企業が気にいる番組とは、CMがターゲットにする顧客層の多数にリーチできる番組。

 

結果、視聴率は大事な指標だが、それだけでは物足りないのがCM出稿企業の胸の内だ。

 

テレビから情報を得るということは、ディスプレイから情報を得るということになる。

 

テレビ以外の日常のディスプレイとしてスマホやタブレットやPCがあるが、テレビとテレビ以外では大きな違いがある。

 

テレビ以外のディスプレイは、能動的に見ることで情報を得るという特徴がある、もしCMや広告が流れるとスキップできる場合は即座にスキップされるだろうし、スキップできなければほぼ無視されるだろう。

 

しかし、テレビの場合は能動性の度合いが弱く受動的になりやすいので、結果的にCMも意外と見てもらえているのかもしれない。

 

もっともテレビの場合であっても、録画で見る場合には能動性が高くなるのでCMの効果は大きく下がるのは間違いない。

 

つまり、テレビCMの効果はリアルタイム視聴に依存するはず。

 

リアルタイム視聴とは、受け身のダラダラ視聴といってもいいはず。

 

そんなテレビにCM出稿する企業は、ダラダラ視聴の視聴者に自社の商品やサービスをアピールすることが効果的だと思ってるはず。

 

 

おもしろいデータがあった。

 

2021年の上期の関東、関西、名古屋の三地区のCM出稿企業の業種の上位ランキングと前年比。

 

CM出稿量 2021年上期

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2108/19/news114.html

 

 

受け身のダラダラ視聴にアピールするということは、無意識の潜在意識へのアピールを狙っているのだろう。

 

なんとなく脳内に記憶された情報は、どれを選んで良いのか分からない場合や、どれを選んでも大差ないと思い込んでる場合には、背中を一押しする影響力を持てるかもしれない。

 

 

無意識や潜在意識へ働きかける手法としてはサブリミナル効果が有名で、現在ではテレビ業界では自主規制が機能してることになっているが、ボケーっとテレビCMを見ることがいわば擬似サブリミナルとして機能しているのかもしれない。

 

その効果は、なんとなく良さそうと思わせることにあるような気がする。

 

上記でCM出稿が多い分野は競合も激しい分野で、テレビCMで商品やサービスのメリットが伝え切れるものではないが、親しみやすさや見慣れてることが好感や安心感につながっているのかもしれない。

 

好感や安心感は理詰めに説得するよりも、なんとなく良さそうくらいの方が伝わりやすいとすれば、意識高い人はついついロジカルにプレゼンしたくなるが、相手がエンドユーザーならばなんとなく良さそうくらいが説得力は強まるのかもしれない。