社会風刺を込めた毒舌のことを毒ガスと言ったのは1980年のビートたけし。
最新号の企画「二十歳のときに、読んでほしい本と観てほしい映画」より。現代美術作家・加賀美健さんが挙げたのは『ツービートのわッ毒ガスだ』と映画『みんな〜 やってるか!』。ともに“ビートたけし”もの。いつなんどきも毒とユーモアを忍ばせる。それを知ることは、この先必ず効いてくる! pic.twitter.com/UhLkuT5pfE
— POPEYE (@POPEYE_Magazine) February 18, 2018
毒舌から風刺の要素が無くなると、軽蔑や侮辱や名誉毀損の臭いが漂い出す。
欠点を皮肉る気持ちが毒舌を生む。
毒舌家は、自分自身を正直者だと思う傾向にある。
現代の毒舌はトラブルの元だという話をTwitterから拾ってみた。
2019年の4月に亡くなられた漫画家の小池一夫さんがこんなことを亡くなる3ヶ月前に言っていた。
「自分は正直」「自分は嘘をつかない」「自分は観察眼がある」それらを免罪符にして思ったことを何でも口に出し、我が物顔で人を傷付ける人がいる。その正直さは、もはや善ではないね。むしろ悪。口を閉じるという選択肢だってある。傷つけられた言葉の記憶はずっと残る。
— 小池一夫 (@koikekazuo) January 25, 2019
このツイートに対し、
「私は毒舌だから」とむしろ誇らしげに毒舌を振りまいていた幼馴染。
— 桜空 (@Luv_minamo) February 6, 2019
付き合いが長いからなんとなく付き合ってたけど、その分ちょくちょく傷ついた。
距離を置いてあまり関わらなくなったら、穏やかな日々と新しい素敵な仲間がたくさん増えた。 https://t.co/reZHlFLgVg
と、反応する方がいた。
毒舌は、言ってる人と言われた人の気持ちの落差が大きいことを教えてくれる。
現代の毒舌は嫌われる傾向にあるようだが、当事者として矛先が自分に向かなければ笑い話として通用するところがあるのも事実なところが怖いところ。
知り合いが『私は嘘を付きたくないから正しい事を言ってるだけなのに周りに嫌われる。正しいのは私なのに何で!?』と言うので、「正しいからって全部言ってたら嫌われるに決まってるじゃんアホなの?」と、正しくても嫌な事を言われる辛さを体感させてあげたら見事に嫌われました。伝わってよかった。
— 小銭 (@kozeni_shkt) February 6, 2019
最近は褒めて伸ばすという考え方が求められるようになっている。
褒めて伸ばすの反対は、叱って伸ばす、でスポ根の定番だ。
褒めて伸ばす場合に大事なことは、良い点や長所を見出すこと。
叱って伸ばす場合に大事なことは、欠点に気付きそれを改善すること。
どちらも正しく感じるが、当事者の関係性には大きな違いが生まれているようだ。
褒めて伸ばすを意識する方が時代の波には乗りやすいだろう。
だとすれば、毒舌は封印する方が良いかもしれない。