世間一般では政治的用語として知られてるかもしれないのが誉め殺し。
Wikipediaではほめ殺し。
1987年(昭和62年)に、稲川会系の右翼団体「日本皇民党」が、自民党総裁選に立候補していた竹下登に対して「日本一金儲けが上手い竹下さんを内閣総理大臣にしましょう」と街頭宣伝活動を行ったことで、一躍有名になった(皇民党事件)。
由来は歌舞伎で意味は、
頭角を現し有望格と見なされた若手を必要以上に褒めることで有頂天にさせ、結局その才能をだめにしてしまうこと。
とある。
ライバルや敵を失脚させるためにずいぶん時間がかかる方法を取ったもんだと思う、目論見通りの結果が出るとは限らないだろうし。
最近では誉め殺しで相手を貶めるよりも、より直接的に自画自賛を展開して自分(自社商品)を持ち上げるばかりが増えているのとは対称的に感じられておもしろい。
探してみると、現代でも誉め殺しはプロモーション活動の一環として使われてる事例があった。
当アカウントはウナギの絶滅に向けて、販売推進を行ってくださる企業様を応援しております。ウナギを絶滅させるにはこうした企業様がなんら絶滅の心配がないかのように販売していただくことがとても効果的です。
— うなぎ絶滅キャンペーン (@EelExtinguish) 2018年7月9日
絶滅危惧まで追い込んだのです。絶滅まであと一歩がんばりましょう
このアカウントはフォロワーが一万人以上いるのに2018年の8月以降沈黙している。
この沈黙も誉め殺し作戦の一環なのだろうか?
そういえばいつの頃からか社会人の世界でも『わたし褒められて伸びるタイプなんです』というのが浸透してるが、もともとは子育てから始まっている。
案の定次のような話も出ていた。
「子を褒めて伸ばす」ブームで子が潰れる 本当は恐ろしい「叱り方3カ条」
土壇場で「逆転できる子」の多くは、「本番に強いタイプ」だ。そして、実を言うとこのタイプは「褒めて伸びる」子ではない。
どんな褒め方が良いのかなどに関してわたしに主張したいことがあるわけではなく、言いたいのは、褒めるという日常にありふれてる行為は実はかなり戦略的戦術的なコミュニケーションになってるんだなということ。
ウチ「いやいやニューヨーク世界最高じゃないの?」
— ばんか (@banka_wataribe) 2019年2月15日
米人「いや東京最高だよ?」
ウチ「マジすか? ありがとー! でもニューヨークにはドイツ人もイタリア人もカナダ人もメキシコ人もいて、ワールドワイドじゃん? そこがすごいんだよ!」
米人「いや東京は優しいよ?」
う「そう? ありがとー」
誹謗中傷が規制される世の中になりつつある現在、表面的な誹謗中傷が減ったとしても悪意が消えるわけではないはずだ。
悪意は、露骨な誉め殺しとなって現れるのだろうなと心の準備をしている。
もし、不意に褒められたら警戒しよう。
ところで誉め殺しをキーワードにしていろいろ検索してると、これが由来かもというツイートがあったので、それを紹介して終わり。
先月行った岐阜の帰り道、郡上八幡城で見た「赤髭作兵衛(あかひげさくべい)と力石」のお話が忘れられない。
— 小田晃生 (@akiranama) 2020年10月11日
人はタイミング悪く褒めると死ぬことがある。
誉め殺し事件。 pic.twitter.com/RIHDWYiGPa