違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

これもグローバル化の結果!?

捕鯨が世界的に禁止され、理由があっても鯨を殺したり傷つけることが嫌われている。

 

そうすると、代わりに泳いでる鯨を見るホエールウオッチングが人気が出たりする。

 

このような変化はキッカケは外圧という意味ではグローバル化の結果と言えそう。

 

グローバル化には光と影があり、それは功と罪でもある。

 

光と功を追い求めて辿り着いたグローバル化だが、現在はその反動とも思える影と罪の方が目に付くようになっている。

 

映画監督の想田和弘さんがおもしろいことを言っていた。

 

 

 

撮影で港町に滞在し漁師達とのコミュニケーションを通して見えてきたことがあったらしい。

 

漁業に携わる人が減り、漁獲量も減り、さらに獲った魚の単価も下がるという負のトライアングルが起きるのはなぜか?

 

この問いに対して多くの人は、海外で取れる安い魚が大量に入ってくるからと考え、その全てがグローバル化の影響だと受け取るだろう。

 

しかし、実際のグローバル化はそれだけでなく、直接間接に日本人のライフスタイルに影響を与えていて、魚が好きな人は買って食べるのではなく釣りに行って自ら獲って捌いて食べる人が増えているのだという。

 

そして、釣った魚を自分や家族だけで食べるだけでなく、周りの魚好きの人たちにも分けるらしい。

 

テレビの釣り番組などで一人で何十匹も釣り上げる人がいるが、そういう魚がシェアされているのだ。

 

これは、釣り道具だけでなく船やボートまで含めた市場がグローバル化の結果広がったことも大きく影響してるらしいのだ。

 

同様のことは映画を含めた映像の世界でも起きていて、謂わゆるプロの需要の減少に繋がっているらしい。

 

元々は、能力的にも機材的にも一握りのプロにしかできないと思われていたことの多くが、やる気があれば誰でもやれるようになっている、センスは問われるだろうが。

 

新しい需要や市場が生まれているようで実は旧い市場や需要が減少しているという意味では、グローバル化はプロの奢りに食い込んでいると言える。

 

そういう目でプロの世界を見るとプロはいくつかに分類できることに気付く。

 

以下は、私が感じた分類。

 

  • 道具や機材が充実し技もしっかり身に付いている

 

  • 技はしっかりしてるが道具や機材が不十分

 

  • 道具や機材は十分だが技がイマイチ

 

  • 道具も機材も技もイマイチ

 

 

 

他の分類もあるだろうが、グローバル化は道具や機材の優先順位を上げ評価するようになっている。

 

 

そして、技は単体では評価されづらくなっている。

 

今、プロの世界では看板は掲げてるが道具も機材も技もイマイチが急増中。

 

積極的に騙そうとしてるわけではないかもしれないが、これはこれである意味詐欺だろう。

 

 

そうなると、誰に頼んでも大差ないとおもわれるようになり、プロが過小評価され、シロウトが過大評価されることに繋がる。

 

そういう意味では、次のニュースもグローバル化の結果のような気がする。

 

「5次請け」の殺し屋、報酬安すぎで手抜きし事件発覚 中国

殺人を実行してくれることを期待して下請けに回された仕事は、そのたびにマージンを抜き取られ、別の殺し屋に次々と手渡されていった。

 

ところが、最後となる5次請けとなった殺し屋の男は、暗殺をでっち上げることにし、なんと標的となっていた人物に協力を仰いだ。

するとターゲットの男性はあっさりと警察に通報し、茶番と化した企ては丸潰れとなった。

 

 

職業としてのプロが衰退傾向にあるのに対し、一部のシロウトが趣味で道具や機材を充実させ技も高度なものを身につけるようになるのかもしれない。

 

 

グローバル化は、従来だったらつなぎ合わせるために中間業を必要としていた分野の生産者とお客の直接接触を可能にした。

 

パソコンとプリンターの普及が印刷業にダメージを与えたように、魚が好きな人たちが直接釣りに行き魚を獲るようになり漁師や魚屋にダメージを与えてるように。

 

映画も、いつの頃からか映画館で見るものではなくなってしまった。

 

グローバル化の反動の現れは、気が付いたら減ってしまったり衰退したものだけではない。

 

自分がやるという意味でのスポーツが増えている。

 

一般的には健康意識の高まりだと捉えられているが、これは便利や快適がグローバル化で加速した結果、人間の肉体的機能の劣化が進み出したためで、グローバル化の反動だと思えてくる。

 

今起きてる現象をグローバル化と結びつけるて考えると、人間のエコシステムが見えてくるような気がしてくる。