商品と市場と儲け(売上や利益を含む)の関係を考えていて、プロスポーツの世界はどうなっているのだろうかと思えてきたので簡単に整理してみた。
日本では、プロ野球に関してはテレビの視聴率は良くなくても実際のスタジアムへの観客動員数は減っていない。
日本のプロ野球の昨年の1試合あたりの平均観客動員数は2万9785人でプロ野球選手の平均年俸は4000万円。
ちなみにJリーグは1万9079人で平均年俸2000万円。
年俸がテーマではないので掘り下げないが突っ込みどころが多いのは言うまでもない。
人気があるサッカーに対し、衰退著しい野球というイメージがあるがスタジアムへの観客動員数という点では野球は圧倒的に強い(日本では)。
日本でのプロ野球とプロサッカーの報酬の違いをもたらしているのは観客動員数の違いに起因してるような気がしてくる。
そして、観客動員数はスタジアムのキャパシティに依存するので大きなスタジアムで行われる競技ほど人気さえあれば観客数が増えるし、どんなに人気があっても試合会場のキャパが小さければ観客数は増やせない。
先頃行われたラグビーのワールドカップ日本大会では、平均観客動員数が3万5000人近くを記録している。
中でも、横浜の日産スタジアム(キャパ7万2327人)で行われた決勝トーナメントでは日本チームが出てないにも関わらず6万8843人(10月26日)がお金を払って入場してるのだ。
わたしは卓球が好きだが、どんなに努力しても観客を5万人集めた卓球の試合は成立しないだろう。
しかし、観客動員数が少ないだけで市場が小さいということにはならない。
昨年の日本のプロ野球(NPB)の総売上が1800億円なのに対し、アメリカのMLB(メジャーリーグ)の売上は1兆1433億円、しかしMLBの平均観客動員数は日本プロ野球より少ない(僅差だが)2万8830人。
テレビなどの放映権料の差があまりにも違い過ぎるのだ。
どんな人でも自分の商品やサービスを持っているはずだ、最近では芸能人じゃなくても自分自身が商品でありサービスだと考える人が増えている。
プレイヤーは自分独り。
ライバルや対戦相手は自分で見つけるしかない。
ここまではビジネス論にありがちだ。
そこから先にもう一つ考えた方が良いのが、自分が活躍するフィールドの観客のキャパはどのくらいなのだろうかということ。
プロスポーツのように大きなキャパは狙ったり想定してはいけない。
直接の接点で魅力を伝えられることはもちろん重要だが、魅力さえあれば直接にこだわる必要はない。
しかし、エネルギーを注ぐべきはフィールドやスタジアムへ客を呼び込む努力だ。
客を魅了する力を備えてさえいれば、重い石もやがては動き出す。
魅了する力が弱ければ、魅力が錯覚だとバレてしまったらそこまでだ。
振り返れば、プロスポーツの魅力はマンガやアニメに取り上げられることで浸透していったように思える。
いつの時代でも、魅力は単純明快なものに宿るのかもしれない。
スタジアムへ直接行く人は何に惹かれているのだろうか?
それは共通のものだろうか?
一人一人違うのか?
秋は考え事に向いている!
※上記で引用した数字に関するデータは下記のサイトから。
[世界のリーグ観客数ランキング]プロ野球がMLB超え!意外な競技が上位に…
[世界のリーグ売上ランキング]1兆円超え達成の2リーグはどこ? 日本と桁違いの売上額