コンビニやファミレスの24時間営業が話題になることが増えている、改善すべきだとして。
しかし、その大元にあるフランチャイズという仕組みはあまり注目されない。
フランチャイズの怖さを知ってる人たちは、口が酸っぱくなるほど警告を発し続けているのだが。
ならば感情に迫るようにと映画が作られた。
86歳になり一旦引退を表明していたイギリス人の監督に、引退を撤回させた想いが込められた映画が出来上がったのだ。
「家族を想うとき」覚悟してたけれど辛かった。劇場で買ったミルクコーヒーを飲み進めることはできず、3回涙した。ケン・ローチが引退を撤回してまで撮らざるを得なかった映画。都合が悪い人間は観ないだろうが、絶対に意味があるって信じたい。武田砂鉄さんの文章が好きなので、パンフレットも購入。 pic.twitter.com/wdKl7kz6t9
— 梨 (@marimori86) 2020年1月20日
それでもアマゾンでポチってしまう私たち…映画『家族を想うとき』が突きつけるもの
町山:私はこの映画を見たときにヤクザ映画みたいだなあと思ったんです。絶対勝てない相手の組の事務所に一人で行くような終わり方じゃないですか。そういうふうに終わらせている終わり方が面白いなって。
武田:ヤクザ映画と違うのは、(主人公のリッキーの上司の)強面(こわもて)のおじさんも誰かに雇われていて、休もうと思ったら誰かに連絡しないといけないんですよね。
フランチャイズビジネスの怖さを伝える話は世の中にはたくさんあるが、中には良いシステム(=本部が独り占めしない)もあるとしてもそれは例外だと思った方が良いだろう。
フランチャイズと呼ぶとコンビニやファミレスや映画のような配送ビジネスという民間のビジネスに思えるが、上位に位置する立場がお金を吸い上げる仕組み全般に当てはまるのかもしれない。
もしかしたら、年金、医療保険、介護保険、……etc. も?
テレビで見かけることもある京大教授の藤井聡さんがラジオで映画『家族を想うとき』を絡めてフランチャイズ(的なものを含めて)を語っていた。(5分40秒くらいから)
是非YouTubeを聴いて欲しいが、藤井さんがフランチャイズに関して言わんとすることを箇条書きで記すと、
- 本部は責任を負わないという契約を強いる
- 契約の中身は本部の搾取を明文化
- 法的に社員にはさせられないことをFC契約者に押し付けるシステムがフランチャイズ
- 店を利用するエンドユーザーだけでなくFC契約者も顧客化される
- 本部とFC契約者のトラブルが表に出るのは弁護士が介入するから
どれもどこかで聞いたことがある話ばかりで、初めて聞く話ではないだろうが、ブラックな状況が生まれるところには、フランチャイズに限らず、人件費や働かせ方としての労働基準法の盲点やグレーゾーンが狙われるのだ。
搾取の現場で展開されている24時間営業や長時間労働には変化の兆しは出ているが、フランチャイズの蜜の味を知ってる本部がその旨味を簡単に手放すことはないので、きっと次の手を考えているはず。
フランチャイズが新しい施策を打つときには、その真意に気付くことが重要になる。