違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

出版界と消費税の一般人には見えない戦い!

大きな書店に行き、膨大な数の本を見てると、これらの本はどのくらい売れてるのだろうかと気になる。

 

出版不況と言われて久しい上に、ネット上のコンテンツも膨大であることを考えると、誰がこの本を買うのだろうかと思える本ばかりが目につく。

 

これは、逆にいうとわたしの守備範囲がいかに狭いかということを示してもいる。

 

 

目的を持って本を買いに来た人にとっては、膨大な選択肢の中から目的の本を選ぶことは満足度が高い気もする。

 

売れてる本しか置いてない場合、本屋に入って探すまでもなく目的の本が目に入ると、その本は色褪せて見えるような気もする。

 

大きな書店が膨大な本を陳列する理由の一つに、ほっといても売れる本をさらに売るためには引き立て役になる本がたくさん並んでることも必要なんだろうなと勘ぐりたくなる。

 

引き立て役になってるように見える本でも需要はあるのだが、わかる人にしか分からないし、出版界の中の人しか分からないのかもしれない。

 

 

 

ところで、そのことと本の価格の表示をめぐって今、一部で論争が湧いていることをご存知だろうか?

 

 

 

 

 

出版界にとっては消費税が導入された際やその後の税率変更は、その度に本の売れ行きを悪化させていたらしいのだ。

 

このことがマイナー本をますますマイナーに追い込んでいると、業界の中の方たちは感じているようなのだ。

 

 

 

 

 

 

こういうことって一般人はなかなか気付かないし、本の売れ行きが芳しくないと聞かされると、Amazonやブックオフがどうのこうのと語ったり、インターネットがどうのこうのと結論付けたくなるが、上記のように違う見方があるらしいのだ。

 

 

総額表示の義務化は今に始まったことではなく、最初にスタートした頃から出版書籍業界にとってはとりわけ辛いシステムと映っていたらしいことを伝える話があった。

 

書籍が総額表示にできない3つの理由  2004年4月28日

●理由1 点数が多い。

●理由2 メーカーが価格を決めている。

●理由3 長期にわたって流通する。

 

 

 

詳しくは本文に目を通していただきたいが、確かに本というのは他の商品に比べて異常に商品寿命が長いという特徴があるため値引きして処分という販売形態が馴染まないということはなんとなく理解できる。

 

価値観が多様化したと言われ、何事も裾野の拡大が話題になることが多い中で、ひっそりと裾野を閉じている分野もあるのだ。

 

廃墟化された建物や廃線になる鉄道は、明確な需要の減少が顕在化するからだが、細々とした需要で保っている分野は少しの経費の上昇が採算性を破壊するのだと分かる。

 

少し前まで本屋の天敵は万引きだと言われていたが、今や消費税の、しかもその表示のさせ方を巡ってだと言われていることが、重症化したコロナ患者のようでもある。

 

大半の人にとっては、どうってことなく過ぎ去ることが、とんでもない大問題になる場合があるのに似ている。

 

大半の事業にとって消費税は税率が負担や障害になることはあっても、表示を巡って問題化することは稀だろう。

 

 

今、本屋を含めた広い意味での出版書籍業界は、他の業界の方には共感を得られにくい問題に直面している。