違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

高級食材のカジュアル化はマーケティングを嘲笑う!?

10月に入って急に伝えられ始めた話題がある。

 

正確には、わたしですら気付いた話題と言うべきだろうか。

 

高級食材のカジュアル化(?)の話題。

 

 

自粛が始まり、とりわけ接待分野が敬遠されたことで高級食材の市場がダブつき出しているようなのだ。

 

食材だから消費期限も長くはないだろうし、養殖を含めて計画的に育成肥育されてる動植物は、需要があろうと無かろうと成長して出荷の時期を迎えることになるので、出荷出来なければ自家消費か廃棄しかなくなるのだが、この当たり前の現実も指摘されなければ気付かないもんだなと気付かされた。

 

そんな話題を集めてみた。

 

 

ワタミが「焼肉」へ大胆転換せざるを得ない事情

新型コロナで「国内の牛肉市場における生産と消費のバランスが適正でない状況」になったことが大きいようです。今年4月に話題になったように新型コロナによって接待需要が大幅に減ったことで黒毛和牛の在庫が大幅に増えてしまったわけです。

 

 

 

 

生産者支援 学校給食に高級食材

滋賀県が、新型コロナウイルスの影響を受ける特産の高級食材を学校給食でふるまう取り組みを始め、長浜市の小学校では9日、子どもたちが近江牛のビーフシチューとビワマスのフライを味わいました。

 

 

 

 

 

 

 

10月に入って一気に増えている話題なのだが、日付を遡ると傾向が出始めるのがいつ頃なのかをTwitterで探ってみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の記事によると、コロナが招いた東京オリンピックの延期も訪日客を当て込んで仕入れられていた高級食材の在庫増に影響してるらしい。

 

 

 

 

7月の半ばにはこのような動きが出ていたらしい。

 

生産者SOS、贈って応援 コロナ禍、高級食材の仲介サイト次々

 

 

高級地元食材をふるさと納税の返礼品にという動きは3ヶ月前に起きていたのだ、わたしは気付いてなかったけど。

 

 

6月の下旬にこう言う呟きがあった。

 

 

 

 

高級食材がキーワードになるマイナスの話題としてはこんなものもあった。

 

 

フランスの高級食材店「フォション」が更生手続を申請、黄色いベスト運動とコロナショックで売上減 2020年06月24日

 

 

 

自粛生活が始まった3月には、高級食材に限らず飲食業が苦境に陥っていたのは明らかなのだが、高級食材に縁がないわたしのような人間ですら目につく話題になるまで約6ヶ月かかっている。

 

高級食材のカジュアル化に6ヶ月を要したと言って良いのだろうか?

 

この時間差は長いのか短いのかはよくわからないが、ビジネス的には需要と供給の関係で起きたことであり、需要減に対して新しい需要創造が行われたとも言えるのだろう。

 

 

フランスのフォションの例もあるように高級食材というジャンルは大ダメージを受けているのだが、需要と供給のバランスが崩れる大きな原因としてイメージしやすいのは人気ゆえに供給が需要に追いつかないというものだが、人気があって供給もそれなりなのに需要だけが突然なくなるという非常に珍しい現象がコロナで起きているのだ。

 

高級食材がカジュアル化を図ったことで、高級という看板をおろしたように見えることは一時的なものであるにせよ、再び高級の看板を付けようとする際に障害にならないのだろうか?

 

逆にいうと、これまで高級食材以外受け付けないと言っていた人々の中には高級食材じゃなくても大して差はないなと気付いたのではないだろうかとも感じられる。

 

コロナは、『高級だから美味しい』のだからが錯覚だったと暴いたような気もする。

 

 

錯覚だと暴かれるであろうことの多くは、マーケティングで弄された策なのだ。

 

マーケティングが絡む分野には謎や不思議がたくさんある。

 

 

今後の高級食材市場の動きは観察対象としておもしろそうな気がする!