10月に入って急に伝えられ始めた話題がある。
正確には、わたしですら気付いた話題と言うべきだろうか。
高級食材のカジュアル化(?)の話題。
自粛が始まり、とりわけ接待分野が敬遠されたことで高級食材の市場がダブつき出しているようなのだ。
食材だから消費期限も長くはないだろうし、養殖を含めて計画的に育成肥育されてる動植物は、需要があろうと無かろうと成長して出荷の時期を迎えることになるので、出荷出来なければ自家消費か廃棄しかなくなるのだが、この当たり前の現実も指摘されなければ気付かないもんだなと気付かされた。
そんな話題を集めてみた。
新型コロナで「国内の牛肉市場における生産と消費のバランスが適正でない状況」になったことが大きいようです。今年4月に話題になったように新型コロナによって接待需要が大幅に減ったことで黒毛和牛の在庫が大幅に増えてしまったわけです。
博多和牛が給食に コロナ事業で高級食材提供 地鶏、ウナギも検討#西日本新聞https://t.co/FL2QDb14Aw
— 西日本新聞web (@nishinippon_dsg) 2020年10月8日
滋賀県が、新型コロナウイルスの影響を受ける特産の高級食材を学校給食でふるまう取り組みを始め、長浜市の小学校では9日、子どもたちが近江牛のビーフシチューとビワマスのフライを味わいました。
念願の #富士そば 上野店
— takakom (@wz1Ftwtfg0cNLdH) 2020年10月10日
天然輪島ふぐそば❣️720円
見てた目、ん?と思ったけど、
食べると、ふぐだく感!
贅沢に味わえました。
コロナで需要が落ち込んだ高級食材を救うプロジェクトだったんですね。
すごいな富士そばさん。#路麺 #立ち食いそば #ふぐ pic.twitter.com/rOOB0AZeJE
【期間限定】くら寿司に養殖マダイ寿司、販路なくした養殖業を支援https://t.co/VOYKDJetYT
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2020年10月9日
京都の料亭などに出荷予定だったが、コロナ禍で販路が激減。くら寿司は「助け合いの精神が大事」として約200トンを仕入れた。 pic.twitter.com/LZ2YQF5Vzl
10月に入って一気に増えている話題なのだが、日付を遡ると傾向が出始めるのがいつ頃なのかをTwitterで探ってみた。
先週久しぶりにスーパーにいったら、氷見牛のミスジがサイゼリアに家族で行って食事する値段で売っていた。半年以上外食してないので購入。
— おもほゆ(新型コロナ防御モード) (@touan428) 2020年9月9日
それなりに高いが、この値段でミスジをスーパーで買えるとかびっくり。
コロナの影響で、スーパーに週末に行くと、高級食材が比較的安く買えるようだ。
神戸牛やマダイといった兵庫県産の高級食材を使ったメニューが、神戸市立小中学校の給食で今秋以降に提供される。新型コロナウイルスの影響で、外食向けの肉や魚の需要が落ち込む中、生産者の支援と子どもの食育に役立てる。
— 高田 ヒロシ (@mihtakta) 2020年9月1日
おはよう御座います。
— ゆうじ@売れる文章の書き方講師 (@yuteshima) 2020年8月29日
昨日、
食材のセールスの方と
お話をしました。
今、
コロナの影響で
フォアグラなど高級食材
安くなっている
と言います。
理由は、
結婚式場などのホテル
ほとんど休業状態。
早く回復して欲しい
ところですねぇ。
今日も1日頑張りましょう!
今コロナの影響で、高級食材がものすごく安いようです。
— Peachy (@peachy_love) 2020年8月28日
箱ウニは例年の半額くらいだとか。
業者さん価格は市価の半分くらいなので、恐らくお店で売っているウニの1/4くらいなんだろうと思います。
嬉しい反面で、漁師さんとか、仲卸さんとか、それを出すお店も心配になりますね。
コロナのせいで高級食材が高級料亭に渡らなくなって、安い弁当屋に流れているらしい pic.twitter.com/JM3vJnYykb
— 🎀魔法幼女☥そばにゃん🎀 (@kezaworm) 2020年8月27日
新型コロナウイルスの影響で、高級食材やなかなか手に入らない地方の名物などが、お値打ち価格でふるさと納税の返礼品になっているのだとか。 https://t.co/Nqp1ZuYLcV
— サンキュ!編集部【公式】 (@39_editors) 2020年8月26日
【ぜいたく】コロナ禍で苦境の高級食材、贈って支援 国も送料を補助 北海道のさくらんぼ農家「毎年2万人→個人客3件」https://t.co/EUHwjmUpZk
— buzznewsタワー (@buzznews14) 2020年8月24日
アーチファームの植田代表と。黄ニラ大使が、岡山市北区で農業の橋渡しをしたいと法人化しました。高級食材としても使われる黄ニラは、コロナ禍の影響を受けました。一方、パクチーはステイホームの習慣で需要が増えたとのこと。この暑い時期は早朝3時4時から畑仕事されているようです。 pic.twitter.com/gy1GGrahRP
— 谷合正明 (@masaaki_taniai) 2020年8月21日
次の記事によると、コロナが招いた東京オリンピックの延期も訪日客を当て込んで仕入れられていた高級食材の在庫増に影響してるらしい。
だぶつく食肉在庫 冷蔵倉庫、コロナで再び満杯に:日本経済新聞 https://t.co/2ne4gQQUyN
— hoshinoojisan (@hoshinoojisan1) 2020年8月7日
高級食材として値を釣り上げたのが、原因だ。
需要と供給の基本的観点に立ち返り、販売すれば、問題は解決するだろう。
7月の半ばにはこのような動きが出ていたらしい。
生産者SOS、贈って応援 コロナ禍、高級食材の仲介サイト次々
高級地元食材をふるさと納税の返礼品にという動きは3ヶ月前に起きていたのだ、わたしは気付いてなかったけど。
6月の下旬にこう言う呟きがあった。
タイムラインに高級食材の安売りのツイートが流れてきて、コロナの余波で売り上げ落ちてるのをフォロワーさんがRTしてるのかと思ったらただの「プロモーション」で好感度が最悪になっている。ヘイトや差別の呟きやアカウントを放置してるツイッタージャパンに金払って広告してるのかと思うと尚更。
— はんたろう、または儒艮堂 (@Dugong_Janus) 2020年6月30日
高級食材がキーワードになるマイナスの話題としてはこんなものもあった。
フランスの高級食材店「フォション」が更生手続を申請、黄色いベスト運動とコロナショックで売上減 2020年06月24日
自粛生活が始まった3月には、高級食材に限らず飲食業が苦境に陥っていたのは明らかなのだが、高級食材に縁がないわたしのような人間ですら目につく話題になるまで約6ヶ月かかっている。
高級食材のカジュアル化に6ヶ月を要したと言って良いのだろうか?
この時間差は長いのか短いのかはよくわからないが、ビジネス的には需要と供給の関係で起きたことであり、需要減に対して新しい需要創造が行われたとも言えるのだろう。
フランスのフォションの例もあるように高級食材というジャンルは大ダメージを受けているのだが、需要と供給のバランスが崩れる大きな原因としてイメージしやすいのは人気ゆえに供給が需要に追いつかないというものだが、人気があって供給もそれなりなのに需要だけが突然なくなるという非常に珍しい現象がコロナで起きているのだ。
高級食材がカジュアル化を図ったことで、高級という看板をおろしたように見えることは一時的なものであるにせよ、再び高級の看板を付けようとする際に障害にならないのだろうか?
逆にいうと、これまで高級食材以外受け付けないと言っていた人々の中には高級食材じゃなくても大して差はないなと気付いたのではないだろうかとも感じられる。
コロナは、『高級だから美味しい』のだからが錯覚だったと暴いたような気もする。
錯覚だと暴かれるであろうことの多くは、マーケティングで弄された策なのだ。
マーケティングが絡む分野には謎や不思議がたくさんある。
今後の高級食材市場の動きは観察対象としておもしろそうな気がする!