受験や進学を考える際にテーマとして上がることが多いことに理系or文系という選択がある。
その昔、大学進学の場合だと、最も潰しが効くのは経済学部と法学部だと言われていた時代があった。
この時代の文系のイメージは口先で勝負するという昔ながらの営業のイメージと重なっていて虚を連想するものだった。
一方理系のイメージは理学、工学、医学など真実を追い求める実のイメージが強く悪くいうと融通が効かないという印象があった。
理系の場合、表彰されるレベルまで辿り着くと注目され脚光を浴びていたが、優秀なだけでは潰しが効かないイメージが根強かった。
だからだろうが昭和から平成初期はなんとなくお金の匂いに関しては文系有利だった。
今だから気付くが、このようなことが成り立っていたのは世の中の基本がアナログだったからだ。
間に20年から30年の時の流れを挟んだことで、世の中はデジタル基調にシフトした。
いつの頃からか、進学や受験に際しては理系出身の方が社会で潰しが効くが文系は使えないなどと言われるようになった。
さらに理系、文系に関係なくプログラミングの能力は身につけて損はないという時代になった。
プログラミングのイメージは理系寄りだが、文系とも相性は良いので現代流の手に職の代表格だろう。
『理系or文系』を議論すると、避けて通れないのが『デジタルorアナログ』の議論。
この議論は損得の議論でもあるのだが、どこかピント外れになりがちだ。
現代社会にはデジタルが非常に増えているが、人間が主役の舞台と人間が主役ではない舞台に分けて理解しておく必要がある。
誰でもイメージできることとして音楽を取り上げると、CDの音楽を聞いてる場合、多くの人はデジタルの音を聞いてると思うだろう。
音源のCDはデジタルで、そのデータがアンプに送られ音量や音質のデータがデジタル処理されスピーカーに送られる。
スピーカーに届くまでの音データはデジタルだが、実際に耳に入ってくるスピーカーから出力される音はアナログ。
人間は、デジタルの音は耳では直接聞けないのだ。
私たちがデジタルだと思ってるものの中にはアナログが結構あるのだ。
CDをレコーディングしているスタジオをイメージすると、最初の入り口となる演奏や歌は全てアナログで発されてる音になる。
音楽に関していうと、入口も出口もアナログで、デジタルなのはその間を繋ぐプロセスの処理中だけなのだ。
人が主役の場では、アナログが重要なのだ、今でも。
時代がどう変わろうとも人間社会の主役が人ならば、肝腎要はアナログになるのだ。
詐欺師のアプローチを見れば分かるように、文系やアナログをバカにしてはいけない。