おそらく日本人の多くが納得するであろう見出しが踊っていた。
大谷翔平の経済効果は「240億円」“日本の球団1つぶん” の試算
240億円といわれてもピンとこないが、2001年にイチロー(47)がマリナーズに入団した際、球団のマーケティングチームのスタッフは、1年間の経済効果が50億円以上になると断言した。
また、宮本名誉教授が今年2月に発表した試算では、田中将大(32)の東北楽天復帰による宮城県への経済効果は57億円とされている。その約5倍の経済効果を、大谷はもたらすという。
「2011年に中日が優勝した際の経済効果は約219億円(共立経済研究所による試算)、2013年に楽天が優勝した際の経済効果は約230億円(宮本研究室による試算)でした。
納得できるのは、活躍を観客気分で観てるせいが大きいはずで、もし大谷選手が現在の自分の活躍を元に自分を高く売り込むために自らが作った試算だとしたら大きく支持されることはないだろう。
きっと大谷選手だったら飛距離200mのホームランだって打てるだろうという話と大差ないはず。
上記の記事のような経済効果は当たろうが外れようが無害なのだ。
しかし、経済効果が数字で示される場合の多くは売り込みに際しての交渉の材料として提示される。
何かを始めるための大義名分をサポートできさえすれば良いだけだからで、挙げられてる数字にどのくらいの信憑性があるかや、実際の効果がどの程度だったかという検証とセットで使われてることばではないだろう。
つまり、言った者勝ちなのだ。
何やら詐欺と同じ臭いが漂う。
こういう時、Twitterには率直な意見や声が多く上がってくる。
わたしと似たような意見をいくつかピックアップしてみると、
大阪都構想の経済効果は2兆円以上!との試算が大阪市発注のレポートで公表されたのですが、これは既に学術検証にて信憑性は皆無と結論づけられています.
— 藤井聡 (@SF_SatoshiFujii) 2020年9月28日
この指摘後、この数字を引用する方は減ったようですが未だに信じている方もいるようですので改めて紹介…ご確認下さい.https://t.co/OuSW8G0n41 pic.twitter.com/bsFpzY8cLQ
「二千円札の経済効果」とか「プレミアムフライデーの経済効果」とか計算したやつが責任持って検証したのか?「なぜ試算が外れたのか」を泣くまで問い詰める会は開かれないのですか #daycatch https://t.co/aOi5OXcsRJ
— Simon_Sin (@Simon_Sin) 2018年11月26日
そうなんですよね。日本の新聞テレビは、政府や行政が何かを始めようとする時、なんとか総研が出してくる「経済効果何兆円」という数字を無検証で垂れ流しにして社会に拡散し、追い風を創り出す行為に加担しますが、本当にそうだったか、事後検証しているのを見たことがない。https://t.co/9HoQk2u7Xx
— 山崎 雅弘 (@mas__yamazaki) 2021年1月24日
今日もどこかで、信憑性のない経済効果を盛り込んだプレゼンの作成に余念のない人がいるのだろう。
ちなみに経済効果ってどのように弾き出されてるかというと、総務省のサイトに載っていた。
このサイトにはエクセルの計算シートのリンクが載っている…
良い子は真似しちゃダメ!