指摘されるまで気付かなかったが、今朝になって都議選で自民党が下馬評ほど伸びなかったことに対して熱海の土石流被害が関係していたはずだと言う声が目についた。
都議選の結果は、
下馬評では自公で過半数獲得は想定内だった。
選挙プランナー三浦博史氏が都議選を予想…都民ファ39減で7議席、自民「50議席台」で公明と過半数超え
46議席を有する第1会派の地域政党「都民ファーストの会」(都民ファ)は“7議席”に大激減すると指摘。25議席の自民党は52議席と倍増が見込まれ、連携を復活させた公明党と過半数を占め都議会の勢力図が一変すると分析した。
この予想と結果の違いの間に起きていた想定外の出来事が熱海の土石流事件(敢えて事件と呼ぶ)。
きっかけは大雨だったかもしれないが、上流部の土地開発が被害を大きくさせてるし、土地開発には不透明な政治の関与が取り沙汰されてるからだ。
おそらくこの土石流事件が政治マターになることを自民党は恐れていたのだろうと気付いたのは、このニュースを見てからだ。
【静岡・熱海市の土石流、147人と連絡とれず】
— TBS NEWS (@tbs_news) 2021年7月4日
熱海市で起きた土石流災害で、市は「安否不明者はこれまで20人程度」としてきましたが、4日夜の時点で連絡が取れていない人の数が、147人にのぼると発表しました。 pic.twitter.com/AexCnWIFij
選挙が終わって日付が変わった深夜にそれまでとは違う数字が発表されたのだ。
救助者が増えて行っても安否不明者はずっと20名と報道され続けていた。
【ニュース速報】
— ABEMAニュース (@News_ABEMA) 2021年7月4日
「現時点で19名救助したと報告を受けた。建物被害は約130棟に及ぶ可能性」熱海で土石流 菅総理コメント#アベマニュース
実際の居住状況とは一致しなくても住民票レベルの数字で安否不明者が20名レベルではないことは土曜日のうちにわかっていたはずなのに、訂正がされたのは都議選終了後の深夜だったというところに後ろ暗い意図が透けて見える。
最近数年で起きていた梅雨の豪雨被害は首都圏から離れた場所で起きていたせいもあるだろうが、首都圏の方にとっては地方の話で他人事だったかもしれないが、自分たちの行動圏内の出来事になると感情移入の度合いが違ってくるだろう。
コロナや東京オリンピックに漠然とした不安や不満を感じていた人々に具体的な恐怖を教えてくれたのが熱海の土石流事件だったのだ。
政治マターになるのは必然だろう。
もともと投票に行かない人の行動を変える力はないかもしれないが、投票に行く人の心理に大きく影響したことは十分あるはず。
安否不明者の人数を当初から実態に沿って報告していたら自公は惨敗してたかもしれない、政治がそのように判断したとすると、今後はますます伝えると不利になるかもしれない情報を隠そうとするかもしれない。
これから秋にかけてのどこかで行われる衆院選に向けての駆け引きはすでに始まっている。
政治家の言動の変化に注目すると気付くことが出てくるだろう。