違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

確率と投資金額のリターンから見たVR

Facebookが社名をメタに変更したことで注目を浴びてるのがその由来となったメタバース。

 

いわゆる VRやARを活かして数段上の何かを実現しようとしてるのだろう。

 

ゲームの類をしないわたしには???の世界なのだが、それでも少しは理解したいと思っている。

 

そこで選んだのが次の本。

 

この本を選んだ理由は2018年に書かれていたから。

 

つまり、コロナの影響を全く受けてない時期にVRの将来展望がどのようなものだったかをまず知りたいと思ったから。

 

 

 

 

 

 

この本に書かれてることで印象的な部分を挙げると、

 

Q:VRやARが一般に普及するには何が必要か?

A:『現実より便利になる』

 

 

現実より便利になるとは、空間パラダイムが起こることと書いてある。

 

 

PCの普及前は、紙がベースで情報は表現されやりとりされていた。

 

PCの普及でデータを紙に出力し従来と同じように処理することも残っているが、データのままディスプレイという平面上でも処理が可能になった。

 

どこまで自覚できてるかは別にして、これはこれで大きなパラダイムシフトだったのだ。

 

PCの普及期にPCを拒んだ人は時代遅れな人になったのは言うまでもない。

 

PCが引き起こしたペーパーパラダイムが平面パラダイムなのに対し、空間パラダイムとは立体パラダイムと言えそうだ。

 

 

紙の時代には紙のサイズが情報のサイズとなり、ペーパーパラダイムで情報のサイズはディスプレイのサイズになった。

 

取り扱う情報量が増えると、ディスプレイのサイズの大型化や複数枚化が必要になる。

 

株の取引をしてる人がデスクの周りに3枚も4枚もディスプレイを配してる姿が容易に浮かぶだろう。

 

VRがあるレベルを越えて実現できるとディスプレイの制約から解放されるらしい。

 

この辺になると、分かるようで分からなくなり始める。

 

 

今にして思うと、コロナ禍ではおもしろいことが起きていたと思う。

 

それは社会実験も兼ねることになったはずだ。

 

一気にzoomを使っての会議や商談や飲み会まで行われるようになった、大人数でも。

 

技術的なことで言えばSkypeなどすでに一対一では可能であったりカジュアルな日常に馴染んでいたことを、一対多での使用を可能にしフォーマルな場に持ち込むことに成功したのだ。

 

このことは、テレワークで充分だという状況と、テレワークでは物足りないという境界があることも認識させるようになった。

 

このことは意図しないVRのための予備社会実験にもなったはずだ。

 

Facebookはコロナ禍で何か弾みを得たのかもしれない。

 

 

しかしながら、このことは一般的には好感されてないように感じる。

 

 

ひろゆき氏「FF14の後追いっすよね」Facebook社名変更で何が変わる? “メタバース”はビジネスになるか

「コミュニケーションサービスは基本的には長い時間が経つと廃れる」と断言。「若い人たちは新しいサービスを使い始めるから、世代交代が必ずある」とした上で「ただ、GAFA系の他の会社はツールを提供しているので、ずっと使われ続ける。Googleは“検索”という機能なので。でも、Facebookはコミュニティなので廃れる。

 

 

この記事を読めば分かるが、ひろゆき氏以外の有名人も塩対応だ。

 

 

ただ、成功するビジネスの法則には、誰もがそれは良いというビジネスが成功したためしはないというものもある。

 

誰もがそんなものはダメだというものの中にこそ成功の種はあるとも。

 

 

テレワークやズーム会議やズーム飲み会が可能にしたのは、没入感は低いが同じ時間を共有することの成功で、それは参加者全員の顔が見えるスピーカーホンでのコミュニケーションと同じだ。

 

新しいようでちっとも新しくないのだ。

 

時間は共有してるが空間は共有できていないのだから。

 

だから没入感や臨場感が低いままで終わる。

 

対面で会うことの価値は、時間と空間の共有にあったのだと認識できる。

 

 

共有する空間で、物理的な作業が必要になる場合はVRでは役不足だが、共有してるという実感が味わえれれば十分ならばまさにパラダイムが変わるかもしれないのだ。

 

コロナでダメージが大きかった業界ほどパラダイムシフトに巻き込まれてもおかしくないのだ。

 

旅行やエンタメの多くにとって、気分を盛り上げるために欠かせないのが臨場感や一体感やそれらが織りなす高揚感などと、全て『感』の領域だから。

 

このように考えると、VRにもアンテナを張っておいた方が良いような気がする。

 

VRがゲームの領域を越え始める時に何かが起こるかもしれない。

 

その確率は果たしてどのくらいか?

 

 

 

全てのビジネスは、確率と投資金額からのリターンを求めるゲームなのだから。