アプリやコンテンツだけでなくサービスにも無料のものは多い。
すべては無料(フリー)になると言われ始めたのはクリス・アンダーソン_(編集者)が『フリー』を書いた2009年頃から。
【セブン店舗の無料Wi-Fi 終了へ】https://t.co/3E3m5p9qmS
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2021年12月1日
セブン‐イレブン・ジャパンは1日、セブン&アイグループの各種店舗で展開している無料のWi-Fiサービス「7SPOT」を2022年3月31日で終了すると発表。日本国内におけるインターネット環境の変化を背景に、サービス内容を見直した結果という。
セブンイレブンの無料Wi-Fiは2012年に始まったサービスで、東日本大震災の影響を受けての社会的な意義もあっただろう。
それから10年。
一体何が?
社会的な意義を大義名分にして集客を図るというアイデアは、あっという間に他社も追随するので差別化には繋がらなくなる。
むしろ、やらないと逆差別が起こり、落ちぶれた印象すら与えるようになる。
無料Wi-Fiは集客コストとしては十分リーズナブルだという計算も成り立っただろう。
以前、モバイル環境下でポケットWi-Fi(上限7GB)を使っていて何度か上限を越え速度制限がかかったことがあり、無料Wi-Fiが使える所では使っていたことがある。
決して使いやすいとは思わなかったが、必要な時にポケットWi-Fiの空きを確保するための節約だと思っていた。
無料Wi-Fiは使うとなんとなく気付くことに、周りで同じように無料Wi-Fi目当てでその場にいるんだろうなと思しき人の存在がある。
その場にはいるが、おそらく客としては消費はしないか細い消費に留まるだろうなと思しき人種だ。
結局わたしにとっての無料Wi-Fiは安かろう悪かろうの典型で使うのをやめたが、携帯電話の契約の関係で使わざるをえない人は少なくないはず。
それが10年積み重なった結果セブンイレブンは無料Wi-Fiをやめるのだ。
総務省の発表によると、2011年10月の訪日外国人の36.7%が日本のWi-Fi環境に不満があると答えていたが、2013年12月の時点ではその数字は3.7%にまで減少していた。
セブンイレブンだけでなく、この時期に通信事業者以外の小売店等が無料Wi-Fiを設置し始め、さらに事業者だけでなく自治体も公衆無料Wi-Fiを設置し始めたのだ。
その結果、都市部や街の中心部ではセキュリティの不備や使い勝手の不満(回線速度等)は指摘されつつもWi-Fi環境の整備は急速に普及し始めたのだ。
そのことは検索にも現れている。
コロナ禍で路上飲みが増えた、特に都心や街の中心部の繁華街の路上や公園で。
あまり取り上げられないが、そのような場所では何かしらの無料Wi-Fiをキャッチできる可能性が高いことも関係してると個人的には思っていた。
だからゾンビのようにワラワラと群がってくるのだ、と。
これがセブンイレブンが無料Wi-Fiを止める理由だと直感的にピンと来た。
似たようなことを感じてる人は多いはずだ。
無料Wi-Fiが集めたのは、売上の向上に繋がるお客さまではなく、逆に近所迷惑にしかならない輩(敢えてそう表現するが)だったのだ。
まあ、10年も続ければ壮大な社会実験としての義理は果たしたということだろうし、そもそもは東京オリンピックの訪日外国人のためのものだったのかもしれないし。
さて、セブンイレブンに続く企業や小売店、その他自治体等などが現れるかどうかで、運営者が感じていた無料Wi-Fiに対する本音が見えてくるだろう。