違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

付加価値はおまけではない

今やIT業界の構造は、かつての建築土木業界と同じで多重多層な構造で成り立っていて、末端の現場は限りなくフリーランスで溢れているのが実態だと言われる。

 

 

 

知ってるようで知らないIT業界の実態の謎や不思議をTwitterで探ってみた。

 

 

多重多層な構造の最初は、優秀な人を適切なコストで確保したいと思う気持ちから始まるのはまさに建築土木業界と似ているし、他のすべての業界とも共通してる21世紀の日本型だろう。

 

 

 

給料や報酬の中抜き構造は、日本ではあらゆる業界業種で珍しくはないが、IT業界の場合は身分や所属の構造にも不思議がたくさんありそうだと感じさせてくれるツイートがあった。

 

 

 

 

 

「僕はFの社員だけど、実際には籍はF子会社にあるんだけど本当のところはF子会社の人間じゃなくてその下の孫会社から別会社を経て来てて、名刺は貰ってるけどその社員じゃなくて実情は更に別の会社の人間だけどそこも単なる人集めの会社だから実態はフリーランス」

 

 

 

これらの話を考えていると、ドラマドクターXが思い出された。

 

フリーランスの凄腕外科医の実力を遺憾なく発揮させているのは、凄腕の敏腕マネージャーが付いてればこそなのだ。

 

しかも、この二人の関係は搾取の構造の上に成り立ってるわけではなく、マネージャーは元医者であり師弟関係の師に当たり、私生活も共有し合う関係であることが、高額な報酬を得ることに寄与してるし、さらに言うと肝心の凄腕ドクターはお金に無頓着で、お金よりも師でありマネージャーとの関係性が維持される方が大切なのだ。

 

 

残念ながら、このドクターXを成り立たせるような人間関係は、世間に多い中抜き構造には全く存在しない。

 

日本がガラパゴス化する理由は、効率的な中抜きこそ旨味のあるビジネスだと考えるからかもしれないし、その効率こそが有能なマネージャー的資質に反するものにつながるのだ。

 

多くのビジネスにとって本当に重要なのはエンドユーザーのはずなのに、エンドユーザーとの接点となる場は営業現場と呼ばれ蔑まれる傾向が強い。

 

凄腕のドクターXは、患者の人間性や支払い能力の有無など関係なく、病気に罹っているなら治したい、ただそれだけで、いつでも現場が最重要なだけ。

 

一方敏腕マネージャーは、高い報酬を成立させるために、患者の病気治癒以外の付加価値をセットでアピールする。

 

ドラマを見てれば分かるが、高額な手術費用を補って余りあるメリットを付加価値が提供できるような展開が多い。

 

 

 

ドラマだからというツッコミはさて置き、

 

付加価値はおまけではなく、むしろそちらがメインなのだ。

 

付加価値というと、ついついおまけであり、屁理屈の上乗せだと解釈されがちだが、真の付加価値はメインディッシュになり得るのだ。

 

 

日本でビジネス論として語られる付加価値の多くは、出発点がそもそも間違ってると気付くことは決して損ではないだろう。