違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

大学が変化してる?

子供が増え人口が増加するプロセスにおける大学の存在感や意義と、少子化が加速するプロセスにおける大学のそれは変化して当然だが、なかなかその変化を感じることは少なかった。

 

大学のブランドイメージに影響するのは今も昔も偏差値の高さが一番かもしれないが、徐々に変化は見えるようになってきた。

 

昔のような偏差値の絶対的な強みは薄らぎ、スポーツ(特に箱根駅伝)など実際の目に見えやすい現在進行形の活躍の方がブランドイメージには大きく貢献するようになってくると、勉強だけができる人よりも、輝く人がどこに所属してるかが重要になる。

 

そのことは、大学の経営や運営にも影響する。

 

 

日大への補助金 今年度は全額不交付を決定 前理事長など逮捕で 2022年1月26日

日本大学は、2018年度にもアメリカンフットボール部の悪質タックル問題などで管理運営が不適切だとして補助金が減額されていますが、不交付の場合は、一度措置が決まると翌年度も不交付となり、その後は、運営に改善が認められると減額の措置に緩和されます。

 

 

 

 

大学の場合、入ってくるお金は受験生と新規入学生や在校生からに加えて補助金が基本で、それ以外は余剰金の運用や独自のイベントや活動で、寄付金も在校生やOBからがほとんどだろうことを考えると、エネルギーの多くは受験生を集めることに向けられてるはず。

 

 

つまり、意識してるのは高校生や中学生とその親なのだ。

 

スポーツは重要だとしても、そこにハラスメントやブラックな要素があれば行きたいとは思わないし、行かせたいとも思わないだろうからしっぺ返しは倍返しになるのだ。

 

箱根駅伝で大活躍の青山学院大学、この学校の評価は両極端で、大人世代が無意識のうちに偏差値でランク付けするとさほど評価が高いわけではないが、受験生に近い世代の間では絶大な人気を誇っている。

 

偏差値というランク付けとは別の評価軸が確実に出来つつあるが、それは情緒的なポピュリズムにとても近い。

 

 

おもしろいのは、大学の定番のポピュリズムイベントにおける輝きの演出には厳しい目が向けられつつあるようだ。

 

 

 

顔隠したミスコン、容姿重視にNO!大学で見直し続々、新趣向に挑む学生も

女性を外見で評価するミスコンに対する批判は、フェミニズム運動とともに1970年代から続いてきた。実際、3サイズの公表や水着審査など、露骨に女性を性的モノ化するようなミスコンの制度は見直されてきている。

 

 

 

こういう動きに追随する動きが増えるようだと、従来のミスコンスタイルは急激に色褪せるだろう。

 

主催者だけでなく出場者もdisられるようになればイベントとして存続出来なくなる。

 

 

いろいろな業種や業界が価格破壊の波に晒され、無敵だと言われていた冠婚葬祭も価格破壊の波に晒されてずいぶん経つが、大学の学費や授業料だけは破壊が進んでいない。

 

なぜ価格破壊が大学だけ進まないかというと、奨学金というサラ金システムと連動してるから。

 

2020年度の奨学金貸与者は135万人、有利子83万人、無利子52万人、もちろん返済しなければいけないお金だ。

 

 

学生の目から見ると、奨学金を借りてまで大学に行く意味があるのかと考えるだろう、返済を滞らせてはいけないという理由でブラック仕事に従事せざるを得ない者も多数いるはず。

 

実は優しくない奨学金という仕組みが辛うじて学費や授業料を維持させてるだけだと思うと、ムリの上に作られた砂上の楼閣が大学だと思えてくる。

 

そう遠くないうちに、大学の価格破壊か倒産がラッシュのように起こりそう。