ロシアのウクライナ侵攻から1ヶ月以上が経過し停戦の話題も出てくるが、まだ信用してホッとするわけにはいかない。
強大な武器や兵器の破壊力を現在進行形で思い知らせている。
しかし、強大な武器や兵器よりも存在感が無視できないのは情報戦だ。
最初はロシアが仕掛けたことだけは間違いないだろうし、ウクライナ側はロシア本土や民間のロシア人には攻撃してないことだけは確かなようだが、それ以外の情報は疑えばキリがないほどだ。
その一方で、SNSや民間のドローンが情報戦に関して意外な影響力を発揮してるということも伝わってくる。
これらの情報が伝えるのは現在進行形で起きている出来事。
『今こんなことが起きている』、それを基に迅速に作戦がプランAからプランBあるいはプランCへとシフト出来てるようなのだ。
情報が多ければ、捏造された情報は時系列の辻褄が合わないので信憑性に疑問が持てる。
劣勢だと見られていたウクライナ軍が健闘してる背景にはこういうこともあるのだ。
情報戦には心理戦の要素も大きいとすると、詐欺や騙しのテクニックが活きる。
効果的な待ち伏せには、ストーカーの行動分析が役立つのだ。
現代でも戦の主役は良くも悪くも人間だと思い知らされる。
ロシアではプーチンの側近が芳しくない報告を、プーチンの機嫌を損ねたくないという理由で、プーチンに上げないことで作戦遂行における正しい指揮命令が出来てないという話も伝わってくる。
こういう話自体も心理戦の一環として流布されてる可能性もある。
トランプ大統領誕生の頃からよく聞くようになった陰謀論も情報戦だとすると、ヒトラーが提唱したとされる大衆扇動術が情報戦を体系付けた原点と言えるのかもしれない。
ヒトラーの大衆先導術では大衆を次のように定義している。
赤字は、普通の人が実践する場合の心理的な障害
- 大衆は愚か者である。
大衆はバカではない
- 同じ嘘は繰り返し何度も伝えよ。
嘘は一回しか通用しない
- 共通の敵を作り大衆を団結させよ。
自分にとっての敵は別の
誰かにとっては味方
- 敵の悪を拡大して伝え、大衆を怒らせろ。
敵にも敵なりの立場はある
、徹底的に敵視するのは困難
- 人は小さな嘘より、大きな嘘に騙される。
小さな嘘には騙されても
大きな嘘には騙されない
- 大衆を熱狂させたまま置け。考える間を与えるな。
熱狂はすぐ冷める
- 利口な人の理性ではなく、愚か者の感情に訴えろ。
バカには話が通じない
- 貧乏な者、病んでいる者、困窮している者ほど騙しやすい。
弱い人をターゲットに
するのは卑怯
- 困難都合の悪い情報を一切与えるな。都合のよい情報を拡大して伝えよ。
一方的な話なんて通用しな
い、ちょっと調べたら
すぐバレる
- 宣伝を総合芸術に仕立て上げろ。大衆の視覚・聴覚を刺激して、感性で圧倒しろ。
理解させ納得させる
(してもらう)ことが重要
情報戦が有効なのは、赤字で書いた部分が常識として脳内にこびり付いているからで、情報戦を軽視しがちになるため。
この大衆扇動術だが、世の中で起きる不穏当な出来事のほぼ全てに当てはまりそうに感じられるが、それに『ヒトラーの』という枕詞が付くことで不気味さが倍増し印象に残りやすくなる。
ゴシップ話を嫌う人ほど本当はゴシップ好きと言われる。
心穏やかでいたいと思っているのに、心のどこかでいつも不安や心配の種を探す人は後を絶たない。
欲望が動機になる時は、経済も意識も発展途上中で変化が著しいが、経済も意識も成熟し変化が小さくなると、不安や心配の方が動機として強くなる。
情報戦を仕掛ける側が狙うのは究極的には洗脳で、目的は情報を信じ込ませることで、陰謀論もそんな一つだ。
奨学金を借りてでも大学進学することは、きっと人生にプラスになるという考えすら陰謀論と紙一重の時代になっているが、恐ろしいことに今日から18歳は成人扱いとなる。
現場はしばらく混乱するだろうが、その混乱こそが情報戦でもある。
情報戦に負けてはいけない。