チタンという金属は、金属アレルギーを起こす人でも身に付けられる素材であり、スポーツ選手が身に付けることも多く体調を整える作用があると言われている。
このような特徴はhuman-friendlyと言われる。
明確な効果とも言えるし、気持ちの問題のプラシーボ効果に過ぎないと思う人もいるだろうが、使ってる人が満足できてるならば効果はあるのだ。
human-friendly(ヒューマンフレンドリー)は、文字通り『人に優しい、人に負担をかけない』という意味だが、最近では地球環境やSDGsに関連することとして使われることの方が増えている。
そうなると、human-friendlyの意味は広い意味でデザイン的になる。
そして、デザイン的になることで本来持っていたニュアンスが薄らいでいるように感じられる。
例えば暑い寒いに対する不満が気候の変化の大きさに由来すると考えるようになると、対処法はエアコンや冷房暖房をどのタイミングで使うかの方が重要になり、エネルギーを使わないで対処するような知恵を失うし、現代の住宅は知恵を活かす構造の方が希少になっている。
つまり、住環境は快適性をエネルギーに頼ることが前提で、本来のhuman-friendlyから遠ざかってるように感じられる。
エネルギーの使用を前提にし、かつデザインが重視されると素材の持つhuman-friendlyな要素など無視され、重視されるのはコストや納期になるし、そうなるとhuman-friendlyは多くの消費者にとってもどうでも良いことになって行く。
素材としての金属や繊維の種類に対するこだわりは、持ってる人の思いは特に強いだろうが、そういう人はどんどん少数派になってるはず。
最近ではその素材の領域が食べ物にも及んでいる。
例えば培養肉。
色々な培養肉があることは聞いたことある人も多いだろうが、そんな中には人の細胞を培養して作る人肉ステーキというものもある。
参考
人工肉最前線。人間の細胞を培養して作る人肉ステーキが開発される(米研究)
これは極端な例ではあるが、時代のベクトルが向かってるのはこの方向なのだ。
human-friendlyということを素材という観点で意識することは重要で、コストが膨大になってから嘆いたり、関連する技術が消えて嘆く前に気付いた方が良い。