いつの頃からか言われるようになったことがある。
- プレゼンは最初の3分で決まる。
- 第一印象は最初の3秒で決まる
などと。
3分や3秒は厳密に捉える必要はない、要は結果の良し悪しは必ずしも表現した内容に関係なく短時間で烙印は押されるということだ。
情報の質や量で勝負してるつもりでも、勝負はそれ以外の要素で決着が付いているのだ。
つまり、表現した内容ではなく、伝わった内容で決まるし、伝わるものは内容とは無関係なものですらある場合も少なくない。
そのことを理解してるつもりでも、大事なことや、どうしても言いたいことは削るわけにはいかないというのは人情で、その人情に従っていると、嫌でも時間は過ぎて行くし、事前準備も内容の充実に向けがちだ。
内容以外で影響が大きいのは、自分がどんな表情で、あるいはどんな口調で話しているかだ。
表情には、外見に関する全てが影響するというのも辛いところだ。
だからこそ、一言で決められるような表現や表情を持ってる人は強い。
もちろん、圧倒的な内容を持ち合わせているのが最強であることは間違いないが、現実的にはそんなものはあるようでない。
短時間で、それも一瞬で大事な何かを伝えようとする場合には言葉は弱い。
内容を深くしっかり理解しようとする場合には言葉はとても重要だが、感情を一気に引き寄せるためには視覚や聴覚への刺激が強い。
うまく伝わった場合のプラス評価も、そうでなかった場合のマイナス評価も短時間で下される。
つまり、言葉は最小限にして、言葉以外での表現手段やテクニックを持つことが重要になる。
言葉以外を使っての表現となると、アートやデザインのようにセンスや才能のあるなしで語られる領域の出番になる。
いまだに最高のスピーチでありプレゼントされるのがスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式でのもの。
2005年のことで、誰もがそれをお手本にしてるはずなのに、いまだにそれを越えるものが出たという話は聞かない。
AIやIoTやビッグデータなど、増える一方の情報に対して人間の処理能力は全く向上しないのは皮肉な現実だ。
ましてや詐欺が多い世相を反映してか、言葉を尽くして説得しようとする行為はますます敬遠されるだけのはず。
だからこそ、大事な情報の数々を一瞬で伝える表現力を持つことはこれからはとても重要になる。