違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

テスラがキャズムを突破するか

2022年末から2023年の始まりにかけてEV(電気自動車)に関する話題が賑やかで、字面だけを追っているとEV失速かと感じられるものが多かった。

 

次の見出しを見ると、EVに出遅れたトヨタの逆襲なのか逆張りなのかそれとも捨て台詞かと思えた。

 

ガソリン車禁止の前に再エネ整備、EV転換には電力足らずと豊田氏

 

 

電気料金を始めとしたエネルギー価格高騰で世間がうんざりしてるタイミングであり、雪の被害が発生したタイミングでもあり、燃焼を伴わないEVは雪に閉じ込められたら無力だという思いも重なったこともEVにネガティブに働いただろう。

 

特に、テスラが値下げを発表したことで旧価格で買ったオーナーの不満の声や、売れてないから在庫を一掃するためだという憶測を呼び、EVやばいんじゃないのと思われたのだ。

 

 

 

記事には次の記述もある。

 

テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は25日、値下げ後に需要が急増したと述べた。幹部陣は値下げについて、より手ごろな価格にし、一部モデルを連邦のEV税控除の対象にするのが狙いだと説明した。

 

 

この値下げ発表の後株価は一旦下落したが、

 

 

 

この展開で思い出したのは、元々のイーロン・マスクのテスラに対する事業計画。

 

始まりはハイエンドのスポーツカーで、それが成功したら高級セダン、そしてその10年後を目処に大衆市場への展開をするという計画。

 

 

気まぐれな行動ばかりが取り上げられるイーロン・マスクだが、結果を出す実行力は緻密な計画に基づいているのだ。

 

 

ここまでの展開でテスラ車に惹かれてかつ実際に購入した人というのは、確かな見識の持ち主であるだけでなく確かな経済力を持ち合わせている人達だ。

 

問題はここから先だ。

 

ここから先は、経済力はあるが見識は中途半端な人達や、意識は高いが経済力はイマイチな人の評価を得なければいけないのだ。

 

その切り口は価格なのだ。

 

世界的に何でもかんでも値上がりしてるご時世に、最先端商品でありながら値下げできるということは、元値にいかに利益が大きく乗せられていたかと想像できる。

 

値下げと言っても、原価ベースで考えると適正価格にしただけだろうと想像できる。

 

しかし、プレミアムイメージを保ちながらもお得感の演出も可能にしたことでライバルを一歩も二歩もリードすることだろう。

 

 

普及に向けての障害となるキャズム(深い溝)を突破できるかもしれない。

 

 

今後のテスラの展開は世界潮流のベクトルを知る上で目が離せない。