違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

『小さな成功体験』というブーム?

フィルターバブルだろうか?

 

『小さな成功体験』といいうワードを目にすることが増えた。

 

このワードの後には『を続けよう』が続くことが多い。

 

最初は温故知新的な懐かしさを感じたが、やたらと目にするような気がするのでTwitterで『小さな成功体験』と検索するとやはりつぶやいてる人が多い。

 

GoogleTrendsで検索可能な2004年以降で調べると、成功体験の主要テーマは就活転職ダイエットだった。

 

では最近5年だとどうなるかというと、転職やダイエットに加えてカツラやウィッグが出てくるが、成功体験自体が漠然としたものになってるように感じられた。

 

では、直近1年だとどうなるか?

 

成功体験はより一層漠然としたものに感じられるようになっていた。

 

関連してるワードやトピックの中に初めて聞く名前があった。

 

アルバート・バンデューラ

 

カナダの心理学者で2021年に他界されてるが、この方が提唱していた「自己効力感」が注目されていたようなのだ。

 

 

自己肯定感はよく聞くが自己効力感は初めてだ。

 

 

ウィキペディアでは自己効力感を生み出す先行要因として6つのことを挙げている。

 

 

  1. 達成経験(最も重要な要因で、自分自身が何かを達成したり、成功したりした経験)

 

  1. 代理経験(自分以外の他人が何かを達成したり成功したりすることを観察すること)

 

  1. 言語的説得(自分に能力があることを言語的に説明されること、言語的な励まし)

 

  1. 生理的情緒的高揚(酒などの薬物やその他の要因について気分が高揚すること)

 

  1. 想像的体験(自己や他者の成功経験を想像すること)-O.マダックスによる

 

  1. 承認(他人から認められること)

 

 

 

 

これら6つが全部揃ってなのか、この中の一つでもなのかでハードルの高さは変わるが、これらが成功体験に関わる要素とされてるのだ。

 

そして、この話がモチベーションを煽りたい人や煽られたい人の間で一種のブームになっているのだろう。

 

6つの要素の2番目の代理経験や5番目の想像的体験は洗脳など人心掌握ととても相性が良さそうだ。

 

 

 

使い捨てにされる詐欺の現場での実行犯はきっと指示役や黒幕から自己効力感を煽られているに違いない。

 

ただ単に脅されたからというだけでなく、きっとやれる、きっと行ける、と思い込むから実行するのだ。

 

 

世の中には、実話以外の想像の産物である成功体験が溢れている。

 

成功体験は良いことや善行の連続で達成されたものばかりではないが、そういうことも全部ひっくるめて成功体験になるのが物語だ。

 

人は人生経験を積むほどに、綺麗事では生きていけないことも理解するようになるが、綺麗事がない世界が地獄であることも理解するようになる。

 

 

自覚の有無に関わらず人間は成功体験を求める生き物なのだ。