由来や本来の意味は諸説あるようだが、大枚叩いてまとめて全部買うことを大人買いという。
大人買いができるためには二つの条件が必要になる。
- まとめ買いができるような状態で売られてる商品がある
- まとめて買うお金がありかつまとめて買うことを良しとする価値観を持っている
SNSやYouTubeなど自己顕示欲を発散する場がある現在では、ネタ作りとしての大人買いも少なくないはず。
自己顕示欲を満たした後で、出費を取り戻すために活用する転売市場も充実してるので、やりようによっては大人買いは消費というよりも投資だという見方も成り立つかもしれない。
さて、大人買いの対象が食べ物で、一人で一度に全部食べると考えたら、過ぎたるは及ばざるが如しよりも悪い状態になることが容易に想像がつく。
現代では、大人買いの対象が情報ということも多いはず。
投資界隈では、他の投資家よりも早くいろいろな動きを掴むための情報収集に余念がないはず。
理由はどうあれ大人買いの魅力に一旦ハマると、全部自分のものにしないと気が済まなくなるかもしれない。
初めて大人買いした時の快感が忘れられないのかもしれない。
一方で、大人買いに憧れてたけど一回やったら全然良いものではなかったと気付く人もいるだろう。
自称大人買いの多くはちゃめっ気が感じられるが、これを買い占めとか独り占めと解釈すると可愛げはまるでなくなる。
モノが溢れてるようでいて欲しいものはそんなに多くない。
モノが溢れてるが限定品も多い、きっと作り手や売り手は大人買いに期待してるのだろう。
シリーズものを続々と展開するのも大人買いに期待してるバージョンの一つだろう。
コレクション心理と共通する部分もありそうだが、純粋さにおいて子供と大人の違いに似たものが感じられる。
子供と違って大人は、自分が欲しいという気持ち以外に世間の価値観にも迎合しようとする、いやむしろ後者の方が大事かもしれない。
コッソリと人にはナイショの大人買いこそが真の大人買いだとすると、『大人買いしましたよ』と言ってる大人は心に大人買いでは防げない隙間風が吹いているのかもしれない。