違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

神は拾ったものを捨てる

11月5日阪神タイガースの日本一決定で日本のプロ野球の2023年の試合は終了した。

 

終了と同時に現役選手にとっては最も厳しい1ヶ月が始まる。

 

 

11/6:日本シリーズ不出場チームの戦力外通告期間終了

11/10:日本シリーズ出場チームの戦力外通告期間終了

11/6〜14:FA宣言期間

11/15:FA宣言選手の公示

11/15:トライアウト

11/28:NPB AWARDS

12/2:保留者名簿公示

12/8:現役ドラフト

 

 

今では耳慣れた『戦力外通告』という表現だが、昭和の頃に使っていた記憶がない。

 

たまたま私がそうなだけで実際には使われていたのか、ザッと検索したりWikipediaを見たがよく分からない。

 

戦力外通告という表現は今ではどんな分野でも使われる。

 

一般企業におけるクビとか肩たたきと同じだ。

 

クビや肩たたきをリストラと呼ぶようになったのは90年台のバブル崩壊以降のように記憶してるが、その当初にはリストラを戦力外通告とは表現してなかったような気がするので、戦力外通告という表現は最近のものだと思ってしまう。

 

 

2004年からしかデータがないGoogleTrendsで推移を見ると、

 

 

 

 

2008年にリストラの嵐が吹き荒れていたことを思い出す。

 

リーマンショックによる世界的な景気低迷の影響を日本の大企業もまともに受けていた。

 

一方で、戦力外通告の認知の普及は緩やかで2000年台初頭はプロ野球せいぜいプロスポーツ限定の専門用語だったように感じられる。

 

 

『戦力外』の部分は『構想外』と使われることもある。

 

どちらにしても、すでに交渉の余地が無いことを最小限のことばで伝えることができるので便利な表現とも言える。

 

戦力外や構想外をいつ突き付けられるか分からない、いや何となく予感はあるはずだが、その悲哀を知っているからこそ年俸交渉やFA(フリーエージェント)宣言など権利の主張に強気で臨むのはよく分かる。

 

開く一方の格差を可能にしてるのは、戦力外通告やリストラのおかげなのだと思うと、捨てる神あれば拾う神ありを思い出す。

 

ついつい捨てられる方に感情移入しがちだが、捨てられる者は拾われた者でもある。

 

 

神様をあてにしてると最後は捨てられる。