『正しいことをやりたければ偉くなれ』、某刑事ドラマで有名になったセリフであり、多くの人の納得と共感を得た、21世紀が目前の20世紀の話だ。
2010年代に入り、一般大衆が情報発信の術を手に入れると、『正義を振りかざす』というのは娯楽のジャンルに成り下がった。
正しいことをやりたいが偉くなれない人や、偉くなることを諦めたり偉くなることから脱落した人ほど正義を振りかざすことに魅了されるようになった。
虎の威を借る狐の虎とは一般的には強者のことだが、強者を抽象化すると正義になる、個人が情報発信の術を得たことで、剣より強いペンを振り回しているのだ。
つまり、正義の威を借る人間界の狐がデジタルのペンを駆使して娯楽を楽しむ姿が、偉くなれない現代人の正体なのかもしれない。
正義の裏付けは法律が担保する。
一般的に法律家は偉い人に分類されるが、その大元となる法律は全ての人がタダで使えるインフラでもある。
つまり、正義の振りかざしはタダで使える法律を駆使してるかのような錯覚の上に成り立つ娯楽になり得る。
正義を振りかざす人は法律家になりたかったけどなれなかった人と分かると、正義を振りかざすことをやめようと思えるかもしれない。
だって恥ずかしいから。