違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

買い手市場の時代

単なる芸能界のゴシップだと思われがちだが、実は今の日本社会を象徴する話題かもしれない。

 

今後も広告取り下げなどが検討中…性加害疑惑に揺れる松本人志が直面する「スポンサー離れ」のリスク

 

 

従来は視聴率が期待できる番組にスポンサーは集まるものというのが定説だった。

 

だから視聴率さえ取れるなら道理よりも無理の方が罷り通りがちだった。

 

視聴率獲得には番組の魅力が大事という時代を経て、出演するのは誰かというキャスティングの魅力に依存する時代になった。

 

最近ようやくメスが入って、キャスティングの主導権を握る界隈には清潔さが不可欠になった。

 

今起きてる現象は目に余る不潔への敵意の現れだ。

 

水清ければ魚棲まずのようにやり過ぎてはいけない。

 

個人的にはテレビ離れの一因として長年続いたキャスティング重視に対する不満も大きいだろうと思っている。

 

エンドユーザーのテレビ離れは、テレビ業界や広告業界には深刻な影響は与えなかったようだが、スポンサーがテレビ離れをしたら民放にとっては致命的だ。

 

スポンサーにとっての広告宣伝は実際には投資に近いので回収やリターンを望む。

 

番組のキャスティングが世間の反感を買うならば、エンドユーザーである視聴者からの商品購入という回収は期待が薄らぐ。

 

今起きてることはそういうことだろうし、スポンサーも長年不満を抱えていたからこその行動だろう。

 

これは自分たちは売り手市場にいると強気に出てた業界への買い手市場の怒りや不満が原動力だ。

 

だから、あらゆる業界に当てはまっても不思議はない。

 

かつては研修医の確保が急務だと言われていた美容業界では現在は志望する研修医は掃いて捨てるほどいて雇われるだけでは待遇が期待できないらしい。

 

 

多くの業界で人手不足を嘆く声が多いことは、表面的には売り手市場だと思われがちだが、求められてる人材像に目を向けると採用後がバラ色とは思えない、巷でよく言われるように求められてるのは奴隷だからで買い手市場の理屈が働かない。

 

さらにAIの登場によって人材に関して買い手市場有利の固定化につながると言われてる。

 

買い手市場にシフトしてるのは不動産業界でもらしく、売り物件を持っていても潜在顧客を持っていなければ物件への投資は負債にしかならないと言われ始めてるようだ。

 

資格さえ取ればと思われてる業界のトップである医者や弁護士ですら内情に目を向けるとコネが無ければ、あるいはコネを得なければ安泰ではない。

 

 

すべての人が実生活の場では買い手であり売り手である、どちらか一方という人はいない。

 

売ってるものにはさまざまあるが、自分の持ってるセンスや能力や体力や時間に集約できるはず。

 

大事なのはその売ってるものをどこでどのように売るのかだ。

 

 

今、売り手市場から買い手市場へのシフトが起きてる現場では、時間が経てば売り手市場に戻るという単純なものではなさそうな気がする。

 

 

現代は投資の時代と言われるが、投資市場も売り手と買い手で構成されてる市場であることだけは間違いない。