いつの頃からか変な髪型と思う人が増えた、ジェネレーションギャップと言われればその通りだろうが、そもそもその髪型の由来はどこと思った時にふと思い出した。
昔だってマンガの登場人物や芸能人のスタイルを真似ようとしていたなと。
似合うかどうかよりも、真似したいという衝動に突き動かされていたなと。
Wikipediaの日本の漫画の歴史を見てると、日本人のメンタリティにマンガが影響するようになったのは1950年代からだと感じられる。
つまり、自覚の有無に関係なく現在生きてる大勢の人がマンガから何らかの影響を受けているはず。
車の発達普及はモータリゼーションの発展の当然の帰結だと思われてるが、実際にはマンガの世界が与えた影響の方が大きいように感じる。
1975年から少年ジャンプで連載が始まった『サーキットの狼』がスーパーカーブームを生んだ。
カッコいい車やお気に入りの車で演出する生活に魅了される人が増えた、それに合わせてそんな生活を実現するために何が必要かを意識するようになった。
マネーマネーとなる風潮の原点にはシンプルな理屈がある。
上記で例に挙げた車の部分は、家や時計や宝石などを含め何にでも置き換え可能だが、具体的なイメージを描けることが重要で、その役目をマンガが果たしていたはず。
ロボットマンガがきっかけで理系の最先端を目指し始めた人は多かったし、目指すことは具体的だったはず、具体的なイメージをマンガが提供したからだ。
マンガに限らずストーリーがあるところには脚本という意図がある、それが上手に仕掛けられるからイメージが具体的に伝わる、もちろん絵そのものの上手さや巧みさも必要になる。
例えばメガネ。
昔は賢さの演出にメガネが欠かせなかったし、同時にメガネを掛けた子は運動が苦手でどんくさいというイメージを表現していた、やがてコミカルなイメージや独特なおしゃれの要素として重要な小道具になり、マンガのイメージが先行してその後実際のメガネ市場に影響を与えるようになった。
同様のことは生活や生き方というライフスタイルにも及んでいる。
影響は大きいが、マンガから影響を受けていると認識してる人はどのくらいいるだろうか、意外と少ないかもしれない。
なんでも描けるマンガの世界だが、現実社会のルールを大きく逸脱したものは現代では受け入れられないので、かつてのスーパーカーブームの頃のような車が疾走したりバトルを描いてももはやリアリティがないだけだ。
今さらながら漫画家の中でもレジェンドとなる人種は具体的なイメージを描く達人だと分かる。
想像力だけが豊かでもまったく成立しないのだ。
生き方に悩んでる人は、マンガを検索するというのもアリかもしれない。
自己満足だとしても侮れない効果があるかもしれない。