名誉やより良い評価を得るために、正しいとされる伝統的な所作を習い事を身につける。
その習い事は、◯◯道と言われたりする。
伝統とそれに連動する物語をセットにした由緒正しい感で、絶対的な世界観を作り上げた。
そういう世界ではライバルは、外ではなく内側にいるものだ。
そこで、世界観を脅かす可能性が出ると血縁関係を結ぶことで内部に取り込み下克上が起きないように防御し、ビジネスのような競争原理が働かないようにすることで組織の維持が行われた。
日本では、人が集団で組織を形成すると序列の上位に上がるためには、上位に位置する人の引きを得る必要があった。
この伝統は、すべての分野に浸透してたと言って良いだろう。
表面的には外側の同業との競争をしながらも、序列の上位に位置する人々は内側で牽制しあうことが伝統だった。
こういう世界を上手に渡り歩く方法は大きく分けて2つある。
合理的に損得で判断する方法と自分の心に従う方法だ。
どちらを選んでも大事なことはストレスコントロールだ。
前者を選ぶ場合は、ストレスを楽しめる強さと非情さが必要だろう。
後者の場合は、脱ストレスを目指すことだ。
伝統が成立する世界観を持った組織は、たいてい大人数で構成される。
そういう世界観は、中央集権で垂直統合された組織を形成する。
トップと少人数の幹部(身内)が支配者となり運営される。
伝統芸能、伝統文化だけにとどまらず、国政、地方政治など、伝統、しきたり、慣習など呼び名は様々な、過去の踏襲に従い事を進める。
その最たるものが、ブラック企業だ。
ブラック企業とは、設立が浅いと思われがちだが、むしろ伝統的なものだろう。
最近になるまで、問題が表面化しなかったのは、ブラックであることのトレードオフとして、「社員でいる限り面倒は見る」が、成立してたからだろう。
このことを、年功序列や福利厚生の充実と表現していた。
28の法則の8はいらないと企業が言い始めたことが、ブラックの表面化につながった。
今やごく一部の企業以外すべてブラック化してると言って良いのでは?
また、取り扱う商品から判断するという考えもあるようだ。
原価が見えづらい非コモディティが、脱ブラックの鍵だ。
これは、うなづける。
ブラックを見分ける「ブラック企業三原則」 シャイニング丸の内日報
ブラック化してない企業ってどんな会社か?
https://ja.wikipedia.org/wiki/ホワイト企業
ブラック企業の反対は、ホワイト企業と世間は呼んでるようだ。
離職率が低いということが第一条件で、その他待遇面が評価のポイントのようだ。
わたしの見方とはかなり違っていた。
そもそもなぜブラック化するのか?
経営者に先を見通す力というかセンスがないので、従業員に負荷をかけるようになる。その結果、経営者と従業員の間に利害の不一致が起こり亀裂が生じる。
そうなると従業員にとって良い環境ではなくなるが、給料を得ることが一番大事だとしがみつく。また転職のために有利な状況を確保しようとタイミングばかり気にしてるうちに社畜化してしまう。
これがブラック企業の根本だと見ている。
したがって、ブラックの反対を定義するなら下記の条件を備えることだと考えている。
- 経営者に明確なビジョンがある
- 従業員もそのビジョンを理解している
- そのビジョンは、顧客にプラスをもたらす
- そのビジョンは未来に目を向けている
これらが成立してれば、関係者の利害は一致させられる。
待遇の不満は、許容範囲に収まれば問題無い。
今の日本に決定的に足りないのは、国を含めて大きな組織が示す
べきビジョンだ。
2009年に誕生した民主党政権は、欧州連合からのイギリス脱退問題
に匹敵する位の出来事だったかもしれないが、残念ながら日本は、そのチャンスを活かせなかった。
ビジョンを示せない日本は、ブラック国家になりつつある。
発する情報に嘘が増える。
露骨な嘘はつきづらいので、巧妙に定義や基準をこっそり変えながら
嘘をつく。
トランプ氏が大統領になって、日米関係がおかしくなることで、何かが動き出すことに期待するしかないだろうか。
そう言えばむかしこんな本があった。
人間を幸福にしない日本というシステム-カレル・ヴァン-ウォルフレン

- 作者: カレル・ヴァンウォルフレン,Karel Van Wolferen,篠原勝
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 1994/11/01
- メディア: 単行本
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1994年に出た本だ。
続編かな?

いまだ人間を幸福にしない日本というシステム (角川ソフィア文庫)
- 作者: カレル・ヴァン・ウォルフレン,井上実
- 出版社/メーカー: 角川学芸出版
- 発売日: 2012/12/25
- メディア: 文庫
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18年後の2012年の本。