1991年から1993年の景気後退期をバブル崩壊と呼ぶが、既に4半世紀前のできごとになり、若い人にとっては歴史上の話であり昔話にしか感じないかもしれない。
かろうじて携帯電話は存在していたが、全く一般的ではなく多くは自動車電話として会社経営者が利用するようなものだった。
今にして思うと、バブルは銀行が仕掛けたものだったのだろうが、バブル崩壊では”倍返し”を受けている。
バブル崩壊後、銀行はカネを貸すのが商売でありながら、カネを貸さない=貸し渋りを行うようになった。
代わりに、高利の金融業者(サラ金、商工ローンと呼ばれる)が融資の受け皿になって行った。
これらの金融業者は悪質で苛烈な取り立てをすることで悪評を呼んだが、そこに法のメスが入ったのは1999年だった。
社名が日栄だった1999年、支払いが行き詰った債務者や連帯保証人に対して「腎臓や目ん玉売って金作れ!」などと電話などで脅迫まがいの取り立てを行い、債務者がそれでは死んでしまうと言うと、「借金も返せないような奴は死ねば良い」とまで言われた。この債務者は精神的苦痛を受けたとして東京地裁に損害賠償請求訴訟を提起すると共に警察に告訴し、同年10月30日に恐喝未遂容疑で千葉支店元社員(当時25歳)の男が逮捕され、日栄に対しても警察の家宅捜査が入った。
こんな金融業者にカネを借りた人々は、最初は銀行を頼るが貸し渋りで相手にされず、仕方なく頼った金融業者にひどい目に合わされるのだが、そんな金融業者に資金を融資していたのが銀行だった。
銀行は、バブル崩壊で痛い目には会っていたが、それは禊を済ませたわけではなかった。
ところで、上記のように行き過ぎた取り立てに警察が介入するようになってくれたことで、今度は弁護士が暗躍し始めた。
強面の取り立て業者は、法律を味方につけるだけでは怖かったのだろうが、警察も味方に出来るようになったことで弁護士が強気になっていった。
払いすぎた利息を返還させる”過払い金返還請求”を起こし、金融業者からお金を取り戻すが、取り戻したお金を成功報酬という名目で大半を受取る弁護士が多いという別の問題が生まれた。
カネは天下の回りモノという動きを世間が繰り返す中で、カネの中心にいながら一人けじめを付けなかった銀行が、けじめを余儀なくされる動きがようやく出てきた。
「地銀の7割は5年後に赤字」金融庁の試算を再現してみた 週刊ダイヤモンド 2017.11.15
「今後、ビジネスモデルに深刻な問題のある地方銀行には、立ち入り検査を行っていく」──。
何が起きているのか。実は、この発言は“処分庁”への逆戻りを意味しているのではない。むしろ地銀との“対話”に本腰を入れようとする、金融庁の腹積もりがにじみ出ているといえる。
この記事の少し前には、都市銀行であるメガバンクに関しての記事が話題になっていた。
ついにメガバンクに「大失職時代」がやってきた!
AI導入に「4000人の配置換え」… :週刊現代 2017.06.19
これまではそういった人材を融資先や系列企業に天下りのように押し込むことができた。だが、銀行は融資額を減らし、株式の持ち合いも解消しており、これまでのように行内でダブついたベテラン行員に職をあてがうことはもはや不可能だ。
銀行が融資を渋っているという話はよく聞くが、その一方で企業が資金を必要とする場合、真っ先に名前が浮かぶのは銀行だが、改めて検索すると、
2013年8月15日 by admin_inqup
経営者なら絶対に抑えておきたい10の資金調達と必読記事
2013年に書かれたこの記事は10の選択肢を提示してるが、この中には銀行融資は入ってない。
多くの人にとって銀行は、口座を作り預金を預けるだけの存在になりつつある。
そんな中で、世界の潮流はスマホを中心とした電子決済に向かっているようにも見える。
スマホ決済"日本6%中国98%"格差の理由
もはや日本は遅れている 2017.6.23
「サービスが普及した背景が中国と日本で異なるため、日本が必ずしも同じ道を目指す必要はないと考えます。設備投資は7年という周期があり、タイミングが重要です。現状、日本の決済インフラは2017~2018年にこの更新サイクルがやってきており、次の更新タイミングである2025年を目処にしたインフラ投資を行うべきです。
しかし、そんな中国では銀行口座の所有率は67.58%で日本は95.97%(どちらも2011年の男性のみのデータ)。
中国が進んでいるのか、日本が遅れているのかはわからないが、
銀行が、個人の生活からドンドン遠のいてる気配を感じる。