こんな話があった。
この話を知った人は、この話のテーマは何だと思うだろうか?
乗客の悪臭で失神。飛行機が緊急着陸、原因となった男は組織壊死で死亡
「…この話が悲劇的で、また同時に喜劇的でもあるのは、人を悪臭に変えてしまう病気に私が襲われたことだ。その結果、乗客たちが機長に訴えを起こし、緊急着陸が行われた…」と、アンドレイ・スチリン氏自身による投稿に書かれています。
シチリンさんは滞在先のスペインにて、何らかのケガをしたそう。その後、病院に行ったのですが…このように誠に残念な結果になったのです。
シチリンさんの場合、どんな病原体だったのかは未だに発表されていません。
私は、この話は、難病・奇病がテーマなのか、ニオイに対するいわゆるスメルハラスメントがテーマなのかが気になった。
記事自体は、おそらく難病奇病として取り上げ、旅行先でちょっと怪我をしたことで発症してるので、誰にでも起こりうる問題として伝えているように感じるが、この記事を読んだ人(私もだ)は自分のニオイが気になるだろうし、他人のニオイに厳しくなりそうだ。
"ニオイ"を検索する時に、大きく4種類ことばの使い分けをすると感じてる。
・匂い
・臭い
・におい
・ニオイ
辞書的な定義はさて置き、これらのワードをGoogle Trendsで検索可能な2004年以降で比較してみた。
"臭い"は大きなテーマになっていることがわかる。
そして、"ニオイ"はあまりにも少ないので分析対象から外す。
関連キーワードを見ると、"匂い"は、香るもの全般に用いられてるが、良い意味で使うことが多そう。
"臭い"も"におい"も、ほぼ悪い意味で使われている。
なお、いずれのことばも全国的な関心を集めている。
では、最近良く耳にする"スメルハラスメント"というワードを加えて比較すると、あまりにも少ないので単独で見てみると、
ワードとして通用するようになったのは、2012年の半ば以降だと感じる。
面白いのは、関心を示すのは都市部だけという点だ。
都市部のみの関心となってる理由として、スメルハラスメントは、人に由来するにおいの種類が多いため、においの良し悪しだけでなく、においの好き嫌いや、においの強弱も関係してる気がするので、人口密集度が高いエリアで顕在化する問題となるのだろう。
冒頭の記事では、悪臭の原因として難病の存在が感じられるが、Google Trendsで"難病"を見ると、
21世紀は、難病に関する話題が、緩やかに上昇していることがわかる。
"難病"の動きとリンクするようなワードが見つからないだろうかといろいろ探っていて、夏にピッタリのワードが出てきた。
"オカルト"だ。
2010年の7月に突出したオカルトの反応は何なのだろうか?
期間を絞り込んで"オカルト"で検索するが、よくわからない。
では、この突出した"オカルト"の山とリンクするワードを探すと、相応しいのがあった。
"怪談"だ。
これ以上の絞り込みはできなかった。
ところで、Google Trendsのグラフで見ると、"怪談"が夏の風物詩であることが分かるが、2009年は夏が過ぎても"怪談"の需要が落ち込んでいない、2015年の年明けの頃も季節外れの需要の大盛り上がりがある。
怪談を聞くと、体温が下がる感じがする、しかし、あまりにも暑くなり過ぎると、怪談ですら暑苦しい話に思えてくる。
夏の夜の怪談は、暑い夏を涼しく過ごすための知恵だったのかもしれないが、猛暑には通用しないかもしれない。
"猛暑"を加えて比較すると、
どうやら今年2018年は、怪談が猛暑に負ける最初の年になりそうだ。
私にとって21世紀は、怪談とは全く縁がなかったが、世間には結構"怪談"に対する需要があったことが新鮮だ。
しかし、いつの頃からか、お化けや幽霊よりも、人間や自然災害の方が怖さを感じるようになっている。
現代は、怪談以上の怪談が、日常に溢れる時代になった。