『カメラを止めるな』という映画がジワジワと来てるらしい。
「カメラを止めるな!」、あまりに絶賛ばかりなので「絶対に絶賛しないぞ」という気持ちで歯を食いしばりながら観てたんですが、ラストシーンでは拍手をしてしまう始末。ハードル上がりきった状態で観たのに感動させられるから本当にスゴい。
— 深爪@著書「深爪式」「深爪流」好評発売中 (@fukazume_taro) August 11, 2018
ジワジワと出た人気の影に、口コミがあったようだ。
「カメラを止めるな!」47都道府県完全制覇!今週末の「バーフバリ」超えも確実に 映画.com
6月23日に都内2館で公開を迎えた本作ですが、爆発的に感染が広まったのは、7月に入ってから。
7月1日に人気声優の花江夏樹がTwitterで「ロバートの山本さんにオススメされて見に行きました。めちゃくちゃ面白かった!!死ぬほど面白かった!」とつぶやいたことに加え、
同18日には「HKT48」の指原莉乃が「カメラを止めるな!会う人全員にすすめてるんだけど誰もみてくれない。本当に元気でるから観に行って欲しい~!」などと猛アピールしたことが起爆剤に。
ほかにも水道橋博士、ライムスターの宇多丸ら大きな影響力を持つ著名人がリコメンドし続けたほか、25日ごろからテレビなどでも連日取り上げられるようになり、普段あまり映画館に足を運ばない層にも熱狂が伝染していきました。
しかし、GoogleTrendsで見ると、
どうやら、一般的にはまだまだなのだが、実際に見た人で悪く言う人がいない(全くのゼロではないが)という珍しい映画だ。
そんな『カメラを止めるな』だが、唯一注意点として上げられているのがコレ。
だが、この映画をフルに楽しめずに途中退場してしまう観客が少なからずいるという。作品前半のカメラワークで映像手ブレが激しいため、「映像酔い」「画面酔い」してしまうのだ。
口コミの力はどこに現れるのだろうか?
すべての原点は、監督の上田慎一郎さんに行き着く。
去年の夏「カメラを止めるな!」のクランクイン直前にクラウドファンディング用に書いた監督メッセージ。
— 上田慎一郎 (@shin0407) August 12, 2018
この映画が、大嘘まみれのフィクションが、誰かの現実を少しでも前に動かせてくれているなら、ほんとにこんなに嬉しいことってない。 #自分を止めるな pic.twitter.com/WxMITmdn8E
今年の4月「カメラを止めるな!」でイタリアの映画祭に向かう飛行機で偶然隣になった映画好きのおばちゃん。「インディーズ映画なのでご存知ないと思うんですが…」とチラシを渡した。連絡先も交換せず別れた。今日そのおばちゃんからSNSで「おめでとう」ってメッセージがきた。すごいぜ映画。
— 上田慎一郎 (@shin0407) August 12, 2018
ところで「カメラを止めるな」とはどんな映画なのかというと、ゾンビ映画で、恐怖の表情をリアリティ高く描いているが、ホラーではなくコメディらしい、また制作費300万円というのも話題になっている。
各種のレビューやブログや感想を総合すると、高評価の理由は、
・監督が自由
・出演者の情熱
・全編を通じての愛(家族愛、人間愛、映画愛)
が、感じられるからとなるようだ。
傑作『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督が語る。「天才」だった自分がボコボコにされてから 「25歳くらいまでは、『失敗を集める』くらいの気持ちで生きる方がいい」
思い返すと、自分がやってきたことって、最初は絶対「やめとけ」と言われていたことが多い。「やめとけ」「よせよせ」「無理」「不可能だ」という言葉が「薪」となり、「炎」がより燃えていくんです。
ぼくもいろんな自己啓発本を読んで「死ぬこと以外はかすり傷」みたいな言葉を見て、奮起していました。でも、補足しておきたいのは、そういう言葉はすごくいいなと思う反面、危険な一面もあると思っています。
一時期はその言葉で火照ることができるかもしれないですけど、それを続けられるような「仕組み」を自分に作らないと続かないと思うんです。大切なのは、そういうメンタルを続けられるような「仕組み」をつくることだと思います。ぼくの場合はそれがブログだった。
どうやら、今の時代に、上手に表現されず、表に現れなかった思いを、形にでき、それを受け取った人々の共感の輪が広がっている、というところだろうか。
まだまだ、ごくごく一部の人しか気づいてないのかもしれないが、今年の夏の知っておいても損はない話題の一つだろう。